2023年6月13日火曜日

米国益 日本の死活的重要性

http://www.asahi-net.or.jp/~dj7h-nw/stangun/event/navybase/navybase1.html
「メディアが報じない 戦争のリアル」(小川和久/SH新書)の重要事項のつづきである。「2022年緊縮の時代の国防」という匿名の米国防総省高官論文が公表された。国防費の1/3削減の必要性を強く訴えたものだが、日本の根拠地機能だけは逆に強化し日本を足場として中国と対峙してくべきだとしている。実際、日本はアメリカの数ある同盟国の中でも最も死活的に重要だとされている。その理由は、第7艦隊が日付変更線から喜望峰までのエリアを担当しているだけではなく、以下の3点で米本土と同じ水準の機能を持つからに他ならない。

その1は、出撃機能である。第7艦隊は世界最大最強の艦隊で、横須賀を母港にしていることは前述したが、米本土以外で米空母が母港を置く国は日本のみで、イギリスにも常駐していない。沖縄の第3海兵遠征軍は、アメリカが唯一海外に置く緊急即応部隊で航空機や船舶を使い素早く展開できることが、イラクのクウェート侵攻時に証明されている。

その2は、横浜、佐世保、八戸に燃料を貯蔵している。横浜の貯蔵量は国防総省管内sw第2位、佐世保は3位の貯蔵能力がある。日本に置く燃料で第7艦隊を10回満タンにして半年間戦うことができる量である。米陸軍の弾薬庫は、広島・長崎・沖縄などにあり、広島の弾薬貯蔵能力119000tは、自衛隊の全備蓄量を上回る。沖縄の空軍第400弾薬装備中隊は米軍で最大の管理部隊である。

その3は、情報機能で、三沢と沖縄楚辺には以前象の檻と呼ばれる世界最大級の電波傍受アンテナが置かれていたが、今は技術の発達でなくなってはいるものの、三沢はNSA(国家安全保障局)と英語圏5カ国(米・英・豪・加・NZ)による通信傍受組織エシュロンの重要拠点となっている。

それだけではない。横須賀基地(画像参照)は首都に近く交通の便が良いこと、京浜工業地帯に近くインフラが整っていること、旧日本海軍のドッグがあり、高度な整備や補修ができる技術スタッフがあり、部品の集積もあり、原子力関係を除き、米本土の海軍工廠を上回る能力があるという評価を得ている。また空母は港に入る前に艦載機を地上に下ろすが、近隣に厚木飛行場があり高水準のスタッフが配置されている。さらに巡洋艦や駆逐艦なども同時に入稿でき、メンテナンスを受け入れることができるのが、横須賀であり佐世保なのである。

以上のような機能を提供できる国は日本しかなく、日米関係は米国にとっても死活的に重要なのである。日米安保の同盟県警は、米国の国益にとっても重要なのである。

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