2020年9月9日水曜日

どの口が権利を言うか言説

https://www.dreamglossa
ry.com/s/scolding-you/
内田樹氏の「政治家の『屈辱感を与えて鼻先で冷笑する話法は』は誰も幸福にしない」というWEB記事を読んだ。
https://dot.asahi.com/aera/2020090800013.html?page=1

これは。「どの口が権利を言うか言説」(right-scolding)についての論評である。自分に何らかの権利があると思っている人間に向かって「どの口が言うか」と黙らせる技術である。貧しい人や病気の人に対して自己責任でそうなったのだから、社会に支援を求てはならないという新自由主義的な言説である。これを内田樹氏は右翼的ヴァージョンとしている。最近、左翼言論人として分類される内田氏(この論評もAERAだ。)だが、左翼的ヴァージョンも用意している。
「そっちこそどうなんだ話法」(Whataboutism)である。米のソ連国内の人権弾圧批判に対して、奴隷制や植民地主義で行った国に「どの口が言うか」と黙らせた。

どちらも相手に屈辱感を与え沈黙に追い込むこれらの話法が、日本の政界や評論会で増殖しているという危惧を示しているのだが、TVや新聞から離れている私には、内田氏の矛先がよくわからないのだが、1つは対韓国の問題であるのではと思う。

ネット上では、ネトウヨさんたちが跋扈している。韓国の失敗談や新聞の論説をあざ笑うものも多い。私はそういうYouTubeはあまり見ないようにしている。韓国の論理的破綻は明らかだし、まさに「どの口が言うか」攻撃、「そうっちこそどうなんだ」攻撃が繰り返される。YouTubeもまた商業活動であるかぎり、センセーショナルになりかねない。ネトウヨさんは、『マスゴミ』と言って大手メディアを糾弾している。私も同感な部分もあるのだけれど、相手を黙らせることが成功であり勝利であるとは言いきれない。相手に理解してもらえる言論が望まれる。とはいっても、韓国の「傷ついたコギト」な人々にはきっと無理だろうなと思うのも事実だ。

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