2016年5月22日日曜日

「アジア45カ国の国民性」書評Ⅱ

http://www.syokubunka.or.jp/archives/taisyoku/detail/post-18.htmlモルディブ・フィッシュ
昨日のエントリーの続きである。インパクトのある話を続けたい。

モルディブは、FAOによると年間で139kgの魚介類を消費している。(日本は56kg)ダントツの世界一である。カツオの一本釣りが盛んでカツオの燻製(日本のカツオブシとは少し違うらしい。:モルディブ・フィッシュ)が名物品。画像参照(モルディブ・フィッシュについて詳しい話が上記に載っています。)

タイには、王語や僧語という尊敬語があり、一般の国民が王と話すときや僧侶と話すときに使う。国王に拝礼する際は「お御足の埃の下より奉り、謹みかしこみ申し上げます。」という感じで、小学校から授業で習うらしい。使えなかったからといって不敬罪にはならないが教養のない人と思われる。タイには、イスラム教徒も少数いて、大多数の仏教徒と共通するのが、ピー(精霊)の存在である。タイで子供の頭を撫でないのは、体内のピーが逃げてしまうかららしい。

ベトナムでは、家事手伝いやメイドのことを「おしん」と呼ぶ。最近は、富裕層がメイドを雇うようになり、海外(台湾など)ではなく、都市部でも働くけるようになった。そこで、「ベビーシッターのおしん」、「家事のおしん」、住み込みではない「アルバイトのおしん」などに細分化されているとか。

サウジアラビアには年に一度、万博のような祭典がある。各州や周辺国のパビリオンが立ち並び、多くの人で賑わう。このオープニングを飾るのが、国王主催のらくだレース。一方、20歳以下の若者が60%を占めながら、外国人労働者が900万人もいて、失業率は20%。失業手当もたっぷりもらえて、国家に甘やかされた彼らは、公道で「サウジドリフト」という暴走を繰り返しているらしい。砂漠で、ガス欠になった高級外車を乗り捨てる若者もいるという。

オマーンは、先代のスルタンが鎖国政策をとっていたのを、英国留学から帰国した皇太子=現カブース国王(=スルタン)が父を追放して即位、保護国であったイギリスから独立、反乱を鎮圧し、石油収入による経済の安定化と近代化を推し進め、わずか40年で他の中東諸国と肩を並べるまでに成長した。識字率も25%から90%台に、人口も50万人から一気に6倍に膨れ上がった。オマーン人は原理主義的なシーア派の一部・イバード派で、生活スタイルはいたって質素である。しかし、歴史的にインドやアフリカ東岸との交易の関係もあって、インド人やアフリカ系など100万人の外国人労働者が暮らしている。また親日的で、先々代の国王は退位後神戸で5年を過ごし、日本女性と結婚した経過がある。先の東北大震災の時、中東向けの浄水器を製造していた福島県のメーカーに26億円もの巨額発注をしている。しかも製品は被災地で使用後に届けてくれればよいという粋な契約だった。

UAEは、イギリスがこの地を去る時に、サウジアラビアに飲み込まれるのを嫌った周辺首長国が協議する中で、カタールとバーレーンが単独で独立。残りがUAEという連邦国家となった。全体で北海道ほどの面積だが、国土の80%以上はアブダビ首長国の領土で、2番目に大きなドバイが埼玉県くらい。最小ノアジュマーンは佐賀県ほどである。連邦の経済はドバイの石油に大きく依存している。そして経済都市としてめざましい発展を遂げているドバイも連邦の経済を支えている。連邦予算の8割はアブダビ、ドバイが1割。この2カ国には最高評議会での拒否権と大統領(アブダビ)、副大統領兼首相(ドバイ)を握っている。他の5カ国を養っているカタチである。しかし、政策決定には、アブダビかドバイを含む5カ国の賛成が必要で、アブダビもドバイも張り合いながらも協力的に国づくりを進めている。

と、まだまだ続きそうである。教材研究のつもりでさらに続編を後日エントリーすることにしたい。

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