2015年11月19日木曜日

新オリジナルゲームの実践(3)

新作ゲームの第3回目の授業である。前回は、機械と繊維製品をAチームが独占し、所持金でも首位をキープしたまま終わった。第4ゲームは、クリアー条件に繊維製品10が入るので、特にC国のクリアは厳しいと見ていた。そこで、昨日、国際会議になった場合の細かな規定をつくり、これも生徒に配ることにしたのだ。

まず、国際会議でクリアできなかった責任の所在を討議させる。
クリアできなかった国の責任なのか。あるいはそう追い込んだ国の責任なのか。
どちらにせよ、紛争になることをさける方途をまず提示した。①無償で援助する。②相互に納得できる条件をつけ援助する。これで平和解決できれば、問題なしである。
援助する国がなかったり、クリアできなかった国が援助を拒否した場合は紛争となることにした。

紛争になった場合、当事国(クリアできなかった国とその国が指摘した国、さらにどちらかに同調する国)は、ファシリテーターの私に紛争の費用として(秘密裏に)任意のMoneyを支払う。その比率で、戦闘力が決定する。たとえば、100M vs 200Mなら、1:2である。この比率にしたがって、当事国は、じゃんけん要員を出す。その勝ち抜き戦で残った国が勝利とする。

当然、そのMoneyは返却されないが、勝った国は、サイコロを振って、指定された見返りを得る。およそ、クリアできなかった国は、新たな資源をサイコロの数によって得る。追い込んだ国は、サイコロの目が1~4ならMoneyのみ。5・6なら、1~2ゲーム間その国を植民地化することが可能となるように設定した。つまり、追い込んだ国のメリットは1/3程度しかないようにしたわけだ。

紛争となると、現在経済発展している国はメリットが少ないわけで、冷静に見れば追い込む必要がないようにしたのだ。…が、体育科・武道科の生徒は、こういう場合スポーツ選手なので極めて好戦的だ。特に、ジリ貧のC国は、「戦争でしか現状を転換できない。」と判断したらしい。D国も、同調し、2カ国ともにクリアを諦めてしまった。一方、A国はB国と同盟を結び、それに備えている。

第4ゲームの終了時間となった。C国もD国も、援助を拒否し、断固戦うと主張した。相手国は共にB国を指定した。「?」追い込んだのは、A国なのだが…。「B国なら勝てるかも知れない。」この辺、実に面白い発想だ。「助太刀していいですかあ?」とA国。

と、いうわけで、次の時間、C国対B国+A国、D国対B国+A国の紛争が起こることになったのだった。じゃんけん対決だし、彼らがどれくらいの資金を出すかわからないし、C・Dが連合を組むかもしれない。必ずしもA・B国連合が有利とは言えない。

…デモクレイジー・シミュレーションもそうだったが、こういう争いを挿入することは、国際理解教育の世界では、あまり歓迎されない。だが、リアルに国際情勢を見ると、こういう展開になってしまうのだ。世界史は、そう教えている。

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