2013年10月26日土曜日

アフリカ向けウィキペディア

ケニアで、一般の携帯電話のショートメッセージ機能を使ったウィキペディアを利用できるサービスが試験的に始まったらしい。パソコンやスマホがなくても、利用できるところがミソである。やがて、このサービスは、ケニアからアフリカ全土に広がり、7000万人に利用されるだろうということだ。

なるほど。なかなかいいサービスだと私は思う。ところで、この7000万人という数字が興味をそそる。現在10億人と言われるアフリカの人々の7%である。人口ピラミッドで見れば、アフリカは子供の数が多いので、5億人はまだ子供だと仮定すると、生産労働力人口の14%。年配者を省いたら少し増えるだろうから20%くらいである。パソコンやスマホを持っている人々には無用なので、実際のところ生産労働人口の4人に1人くらいが利用できることになるというわけだ。かなりアバウトな推論だが、私には免罪符がある。

最近、サブ=サハラ・アフリカ諸国の統計が、かなりいい加減だということが指摘されている。ガーナのGDPが一気に上昇し、中進国レベルになったりしているからだ。まあ、アフリカの正確な統計はかなり難しいということで、おゆるしいただくとして…。

この生産労働人口の4分の1という数値は、スマホなどの高級機種ではなく、プリペはイドの携帯電話使う人々のうち、英語やフランス語、ポルトガル語などの公用語が読める人口と解していいと私は思う。最近はアフリカ3(貧困層)も携帯を利用しているが、公用語が読めるとなれば、このような数値になるのだろう。

ケニアで言えば、スワヒリ語でウィキペディアが表示されるとは思わない。(莫大な翻訳が必要だし利用人口を考えると気の遠くなるような作業となる。)スワヒリ語化しても、どうしても専門用語は英語になる。要するに、この7000万人は、公用語が読めるアフリカ1(高所得者)になる予備軍だといえるわけだ。今、彼らこそがアフリカの消費拡大を担っている。

このサービスが、その価値を失う時、アフリカはさらに開発が進んでいるのだろうと思うのだ。
<アフリカ向けウィキペヂィアのニュース>
http://www3.nhk.or.jp/news/html/20131026/k10015575171000.html

0 件のコメント:

コメントを投稿