2013年5月11日土曜日

民博 マダガスカル展に行く

本当ならGWに行く予定だった国立民族学博物館に、妻と雨をおして行ってきた。「マダガスカル霧の森のくらし」という特別展である。ユネスコの無形文化遺産にも指定されている森の民ザフィマニリの展示である。

受付で、A4判の紙が入るほどの封筒をもらった。その封筒には特別展の案内図が印刷されている。今回の展示、様々な資料(ガイドシート)やワークショップがあるので、そういった「体験したモノ」を保存するためらしい。私も、ありがたくガイドシートや「パンナビ(マダガスカル語で助っ人を意味する)の工房」で手に入れた生活道具を編む草(自由にお持ち帰りくださいとあった)を入れて帰ってきた。こういう展示方法、ものすごく良いアイデアだとと思う。

ちょうど、現地に赴き、この展示をつくった研究者の方がレクチャーしておられた。展示場の中央に木造家屋がある。大英博物館所蔵のものらしいが、釘を一本も使わず、彼らの伝統的な家族思いの価値観、それに様々な装飾が施されていたりして、なかなか見応えがあった。屋内は暗く、そこにモニターが置かれていて、まるで本物のサフィマニリの人々がいるみたいだ。家屋を構成する木材を実際触ったり、家屋の組み立て模型などもあって、面白い。

最後に、彼らの村にも伝統的な生活に入り込む近代的な文化、そして外国人のツーリズムに対し彼らはそう考えているのかというVTRを見れるブースがある。私は、こういう展示の意義は大きいと思う。何度かこのブログでもエントリーしている文化人類学と開発という問題だからだ。若い人たちは、比較的開発を是とする側に立っていた。私が面白いなと思ったのは、村長の言である。村長は当然、自分たちの伝統に矜持を持ち、(日本人)研究者に対して対等な立場、いや若干上から目線で話していた。日本人に何を期待するか?というテーマで、村長は、この村を日本で展示するのだから、我々にもここで、日本の伝統的文化を展示をして欲しいと言うのだ。互いを知ることが大事だ。だから研究に協力したのだというわけだ。素晴らしいコトバだと思う。

こういう村長の言に後押しされて、今回の素晴らしい展示が生まれたのではないか。そんな感想を私は持ったのだった。研究者・関係者の皆さんの御苦労に敬意を表したい。

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