2012年2月27日月曜日

3.11 空気を読んだ航空管制

朝日新聞HPより
今朝の朝日新聞の一面を読んで私は思い切り驚愕した。3.11の震災直後、羽田空港と成田空港が閉鎖され、この2空港に向かっていた86機が他空港へ着陸したのだが、うち14機が燃料不足で「緊急事態宣言」を出していたことが国土交通省への取材でわかったという。この「緊急事態宣言」というのは、トラブルによる着陸の優先権を得るために出すのだそうだ。専門家によると、燃料不足で14機もの「緊急事態宣言」が出たと言うのは、他に例がないのではないかと言っているそうだ。

日本という国は、もう少ししっかりしていると私は思っていた。この国に危機管理能力はあるのだろうか。そう憤懣をぶつけるしかないではないか。たしかに原発に関しては、全く初めての事故であり、よくわからなかったというのも理解できないことはない。とはいえ、アメリカの専門委員会の報告のニュースや、議事録をとっていない(とっていても出せない。)という馬鹿げたニュースを聞くと、あいた口がふさがらないが、少なくともこの航空管制の話よりは若干マシだ。86機。大変な数のようだが、誰かが一元化して責任をもって指揮をとればもっとスムーズに運べたはずだ。一人で全部指示する必要などない。有能な部下に、さっさと割り振ればいいだけのことではないか。燃料きりきりで航空機が目的地に飛ぶはずはない。およそ馬鹿な指示によって、右往左往させられて燃料を無駄に使わされたんだろう。

昨日のエントリーと重なるが、空気を読むこと(人間関係を重視すること)は、危機管理には有害である。危機管理はサバイバルゲームなのだ。責任感の強い者が勝つ。人命を守るの前に空気を読むことに精力をかたむけてどうするのだろうか。

これまで、私の経験した教育現場でも、そういう危機管理的なことはあった。そんなときにその人の人間力が解る。逃げたらアカン。何度そうつぶやいたことか。

このニュース、今さら出てきたわけだが…あらためて思う。教育の場で、単なる競争原理によって秀才を輩出しても、人間力がなければ危機に際してクソの役にも立たない。本物を育てなければ…。私が、担任になると指導するキーワードはただひとつ。『責任ある行動をとれ。』…毎回これだけだ。そこに全てが凝縮されている。

http://www.asahi.com/national/update/0227/NGY201202260029.html

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