2012年2月1日水曜日

毎日新聞「水論」ドル外し?

久しぶりに毎日新聞の署名コラムについて書こうと思う。今日は「水論」である。昨年末、野田首相が温家宝首相と「日本の円と中国の人民元の直接取引の拡大」について取り決めたことについてである。国際金融の世界は米ドルが支配する世界である。日本を米ドルに、さらに人民元に替えて決済するのがスタンダードだ。これを米ドルの介在なしにやろう、もちろんいっぺんには出来ないので徐々にやろうという話だ。中国が「米ドルによる世界支配」に揺さぶりをかけているわけだ。実際、パキスタン、ウズベキスタン、韓国など多くの国と提携済みだとか。だが、日本円の重みは違う。準備通貨としては米ドル、ユーロ、英ポンドに次ぐ地位にある。現在輸出の半分くらいは円建てになっている。「日本政府としては、面白いゲームを始めたものだ。」と専門編集委員・潮田道夫氏は述べている。

日本は米国の通貨覇権に弓引くつもりはないだろう。だが、円の役割増大は商機の拡大につながるし、日本がアジアの経済大国であることを、時々米国に認識させるのも無意味ではあるまい、とも。

しかし、こんな話もあるそうだ。米国のイラク攻撃はフセイン大統領が石油取引を米ドルからユーロ建てに変えたからだ、米ドル防衛があの戦争の本質だという説があるそうだ。イランもユーロ建てに変えて石油市場での米ドルの独占的地位を脅かしている。だから「次の標的」になっているのだ、とか。で、「水論」最後の結びは、「虎の尾を踏まないように注意しましょう。え、張り子のトラだろうって?」と書かれている。

…うーん。最後の結びは、どうも私の感覚とは違う。うまく表現できないが、私はこんなにライト感覚な反米的な結びは好きではない。今日の「水論」、内容が面白かっただけに、よけい違和感があるんだよなあ。

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