2023年9月18日月曜日

ダンテの神曲を読む。

https://ameblo.jp/kosmosskene-biosparodos/entry-12295914951.html
図書館で、ダンテの神曲を借りてきた。いわゆる本編(地獄編・煉獄篇)と阿刀田高の「やさしいダンテ神曲」の三冊である。天国篇は借りなかった。そもそも、ダンテの神曲を読もうと思ったのは、現在の天竜人(Dと呼ばれているので、ONE PIECEと正反対だ。笑)の多くはキリスト教徒であると思われるので、彼らは死後どのようになるのだろうかと夢想するためである。私はブディストであるので、この神曲はおろか天国や煉獄、地獄の存在を信じてはないし、このダンテの神曲はフィクションであるので、仮想の道標に過ぎないのだが…。

ダンテは、ギリシアの詩人ウェルギウスの案内で、地獄、煉獄、天国の順に訪ねていく。いきなり本編はキツイ。阿刀田高も借りておいてよかった。(笑)キリスト教の地獄は、ブディストから見て、かなり異文化である。地獄の最初リンポには、何も悪いことはしていないのだが、洗礼を受けていない、キリスト教成立以前の人々がため息をついている場所のようだ。ウェルギウスもここの住人である。アダムもアベルもノア、モーセ、アブラハム、ダヴィデ、ヤコブなどは、そもそもここにいたが、偉大なお方(イエス=キリスト)が現れて救い出したらしい。なるほど…。カインはアベルを殺したので救ってもらえていないのか…。(カインは近親の殺人を犯したので最下層にいる。)ホメロスやソクラテス、プラトン、アリストテレスやキケロなどもここの住人らしい。異教徒に対するスタンスは強烈である。

第2層は、愛欲にふけった者がたどりつく場所で、クレオパトラやスパルタの王妃ヘレネなどがいる。第3層は暴食の罪を犯した者、第4層は金を溜め込んだ者と費い過ぎた者と続いている。第5層は怒り狂った者。実は、この辺から、読んでいて退屈してきた。フィレンツェ出身で政争にまきもれたダンテの知人がやたら登場してくる。なんだか、地獄にいることになっている政争相手にウサをはらしているような感じなのだ。これは最後まで続く。読んでいてかなり疲れるのである。

第6層は異端の者、第7層は暴力を用いた者で他人に対してが第1円に自分に対してが第2円に神と自然に対してが第3円となっている。第8層は、欺瞞の罪を働いた者で、驚いたのはムハンマドが登場してきたことだ。この部分は十分イスラム教に対する冒涜に値すると思われるし、ブディストである私としても、詳しく書きたくない。極めてカトリック的な部分で、時代を考えてみると当然かも知れないが…。ちなみに、その下がまだあって、第9層は裏切りを働いた者で、第1円が肉親を裏切った者、第2円が祖国を裏切った者、第3円が客人を裏切った者、第4円が恩人を裏切った者となっている。

で、現在の天竜人たちは、どこに行くのだろうか。それぞれ罪状は違うだろう。自分の所有する島でどんでもない犯罪を繰り返し犯したDは第2層では決してすまないだろう。軽くても第7層。息子が次々と捕まってるDは、間違いなく第9層の第2円ですな。パンデミックの脚本家や演出家は第8層以下は間違いなし。書き出したらきりがないのだが、Dの面々こそ是非ダンテの神曲を読み直して欲しいところだ。悔い改めよ。天竜人というところか…。

ところで、ONE PIECEのインペルダウンの監獄は、まちがいなく神曲・地獄編をモデルにしている。神曲には、ニューカマーランドなんかは出てこないけれど。(笑)

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