2023年8月9日水曜日

ナガサキの日に加藤陽子を読む

東大の日本近現代史の教授・加藤陽子氏の「それでも日本人は戦争を選んだ」(新潮文庫)を読んでいる。学園の夏期講習の時からだから、少し時間がたっているが、重要事項が多いので再読しながらエントリーしていこうと思う。

この本は、神奈川の私立栄光学園での2007年の年末から5日間の講義録である。対象が中学と高校1・2年生の歴史研究部の生徒である。そもそもは、朝日出版社の企画だったとのこと。ここに私は少し引っかかった。何故なら、加藤陽子氏の政治的な立ち位置が、日本近現代史にとって極めて重要な視点だからだ。で、この内容を紹介する前に、加藤陽子氏の政治的な立ち位置を探ってみたい。

東大の教養部時代は第二外国語はロシア語、右寄りの伊藤隆氏が指導教授。199年以降山川出版社の詳説日本史の執筆に携わる。ただし、かなりの困難さを感じ、この講義を行ったという。小泉政権下で公文書管理委員会委員、国立公文書館の調査検討会議委員などを歴任、上皇陛下が天皇在位中に、保坂正康・半藤一利とともに歴史談義で招かれている。一方で、安倍政権下では特定秘密保護法に反対し、立憲デモクラシーの会の呼びかけ人の一人となった。2020年の日本学術会議新会員候補であったが、菅首相に任命を拒否された6人の一人でもある。山川の詳説日本史では、師の伊藤に代わり南京事件などについては、大幅に加筆され、左翼歴史家という批判もある。(師の伊藤隆氏は、新左翼に回帰したとも述べている。)

というわけで、簡単に結論づけるわけにもいかないのだが、私より2学年下なので、どっちかというと左翼系であると見える。(何度か書いたが、私達の年代は、当時ほぼ殆どの学生が左翼にシンパシーを持っていた。)

こういう認識を持って読むことは、近現代史と戦争に関わる内容なので特に必須であると私などは思う。だから、何なんだと言われると困るが…。(笑)

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