2022年5月3日火曜日

14歳からの天皇と皇室入門

学園の図書館から借りた本の中で、通勤時間には読みにくい大判の本がある。「図解でわかる14歳からの天皇と皇室入門」という本である。これまで、かなり多くの天皇関係の本を読んできたが、意外に知らないことが書かれていたりする。ちょうど、政治経済の授業で、大日本帝国憲法と日本国憲法の話をするので、教材研究のために借りてみたのだが、なかなか面白い。

たとえば、三種の神器。その存在は十分認識していたのだが、八咫鏡(やたのかがみ):天照大神が天の岩戸に隠れた時、すきまからこれを見せて出てきてもらったという由来があり、伊勢神宮の御神体。草薙剣(くさなぎのつるぎ):須佐男命(すさのおのみこと)が退治したヤマタノオロチの尾から出てきたという由来の剣で、第12代景行天皇の皇子日本武尊(やまとたける)が、東国の野原で的に囲まれ火に襲われたときに草を薙ぎ払ったという由来もある。名古屋・熱田神宮に祀られている。八尺瓊勾玉(やさかにのまがだま):天照大神が天の岩戸隠れの時作られたという由来の装身具。
皇居の宮中三殿の賢所(かしこどころ)に八咫鏡のレプリカ(形代:かたしろ)がおかれている。皇居の御所、天皇の寝室の横にある剣璽(けんじ)の間に、草薙剣のレプリカと、八尺瓊勾玉(これはレプリカではない)が置かれている。

元旦の四方拝について、何度か授業でも話したのだが、詳細は次のとおり。宮中三段の西側・皇霊殿のさらに西にある神嘉殿(しんかでん)で、朝5時から、天皇だけに切ることを許された黄櫨染御袍(こうろぜんのごほう)という衣冠束帯(いかんそくたい)で臨まれる。干支を北斗七星に配置した属星から拝礼されるとか。私的行為としての宮中祭祀であるが、そもそも皇族を宮家というが、宮は神をまつるという意味である。この本では、イギリスの国王の戴冠式=聖別式(神によって特別の人として選ばれる)がウェストミンスター寺院で行われること、アメリカ大統領の宣誓式で聖書に手を置き、祈りの言葉を述べるといった世界の例を上げている。これは、「14歳からの」というスタンスとして、右でもなく左でもなく、すこぶる妥当だと思った次第。

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