2022年5月8日日曜日

スターリニズムは死んでいない

https://globe.asahi.com/article/14393000
ここ2日間、沿ドニエストル共和国の話題をエントリーしたが、共産党独裁という政治体制には、必ずスターリンの亡霊がつきまとうと私などは思っている。目的のために手段を選ばない。他者(国民)の人権や幸福実現の権利は、すべて共産党のイデオロギー(というより権力維持と党存続といったほうが正確だろう。)より下位に置かれ、ドクマ的に抹殺される。

沿ドニエストル共和国には、言論の自由などが憲法に記載されているが、それは実際には守られない。それどころか、ソ連時代のような密告が奨励されて、反政府的・半社会主義的な言動は弾圧される。プロレタリア独裁というとなにかお花畑的に聞こえるが、何のことはない、職業的革命家(ボルシェビキ)がノーメンクラツーラに変化したに過ぎない。中国でも、紅軍はには当時正義があったかもしれないが、今現在の共産党はは同様のノーメンクラツーラで、もっとはっきりと反社会団体化しているといったほうがわかりやすい。(でないと、上海を始めとした地獄のようなロックダウンやナチ以上のウィグル弾圧は説明できない。)

スターリンは、恐ろしく猜疑心の強い独裁者であり、反対者を粛清し続けた。ソ連邦内外を問わず社会主義国では、人間性を破壊するような密告と猜疑の警察社会を作り上げた。ウクライナもその例にもれないと私は思う。ロシアへの敵愾心は、スターリンの大飢饉政策や民族移住政策以来のものだ。ロシア系住民もまたウクライナへの敵愾心を植え付けられている。報道機関はプロパガンダ機関にすぎず、国民は真実を知らされない。それ故猜疑心が増幅されていく。これらは、ソ連時代以後先天的な国民感情となっている。グルジア出身のスターリンは、民族問題の専門家で、レーニンに認められたという経歴を持つ。非支配民族は常に敵なる民族を作り出され、その対立構造の中で、ある時はこちらの民族、ある時は違う民族に援助することで対立を恒常的に煽ってきた。仕組まれた政治的な混乱があれば支配が強化できるからに過ぎない。スターリンの死後もこの状況は変化していない。

ソ連時代、ロシア系住民を各共和国に移住させたのもその一環である。沿ドニエストル共和国では、ウクライナ系も移住した。軍という暴力装置を十分にきかせてモルドバをルーマニアに取られないための措置である。ソ連・ロシアはエネルギーをその支配装置として使っている。結局のところ、「私」なのである。少なくともマルクスが目指した共産主義の「公」は存在していない。

独裁制は、人間性をも破壊する。エゴのみが国民の自己保存の糧となる。権力者主体の政治体制は実に危険であると私は思う。だから、ウクライナ戦争についての真実を知ることは不可能のように思えるのである。共産党独裁さらにその後継たる地域の、陰険かつ狡猾なスターリニズムは死んではいないのだ。

マレーシアにいた頃、開発独裁の政権下にあった。外国人である私にとっては直接関わりはなかったが、言論の自由は、国王・国教・国語・ブミプトラ政策などについて制限されていた。ただ、それ以外は自由で政権批判も普通に行われていた。だから、同じ独裁という語が使われているが、ソ連・ロシア・各共和国や中国、北朝鮮などとは決定的に違うと思う。マスコミがちゃんと存在意義を発揮しているからだ。

今の日本は、開発独裁ではないが、マスコミが何かに忖度して本来の機能を失っている。本来報道すべき内容を報道していない。ここ何年かそういう状況が続いていて、私は民主主義の存続に大きな危機感を持っている。もしかしたら、SNSが発達してきたからこそそれが見えてきたのかもしれない。日本にもひたひたとスターリニズムが迫っているような、嫌な悪寒がする。

大阪、三田、岩国を結ぶ元地方政治家のHが関わる上海電力の問題など、その最たるものだ。

https://www.youtube.com/watch?v=vSK4E0qYQew&ab_channel=WiLL%E5%A2%97%E5%88%8A%E5%8F%B7

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