2021年9月16日木曜日

秘伝 教材研究(地理編)8

地誌は、底なし沼のようなものである。どこまで教えるのがいいのかいつも悩む。共通テストなどでは、教科書や地理の資料集などにもないような資料を元にした問題も多い。各国のインターネットの普及率などといった「データブック オブ ザ ワールド」(二宮書店)などにしか載っていないような資料が使われることもある。

まさかこれらのデータを全て覚えているような受験生はいないだろう。よって、これまでの学習の中で培った知識で類推するしかないのだが、どの辺まで知識を植え込むかが難しい。サブノートなどにある地誌の部分は、かなり薄っぺらい。そこが不満だがやむを得ないとも思うのである。編集者も取捨選択が難しいのだろう。

私自身としては、それぞれの国をメタに見たいところだ。ドイツは内需が少ないとか、フランスは食糧自給が出来て、核も自前で開発したがゆえにアメリカに真正面から物申す国になれているとかいったことが重要だと思っている。そういう意味では、アメリカなどは各州でかなり違うのでステレオタイプでは語れないことが多い。まさに千差万別なのだ。

意外に多い設問が、民族や言語、宗教などにまつわるもの。ヨーロッパでは、言語的な孤島と呼ばれるアジア系の言語:ハンガリーのマジャール語やフィンランド、変わったところではスペインのバスク語などは抑える必要がある。宗教的には、東欧なのにカトリックが多いポーランドなどの知識、バルト三国の宗教的な相違の知識は欠かせないところ。これらも、一神教の理解は必須である。

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