2021年9月13日月曜日

桑田真澄の「現役引退」

先日、あるWEB記事で、落合選手の現役引退の時の話を読んだ。ロッテから若い有藤監督就任に合わせて、(年某も高いく扱いづらいだろうと)放出されるくらいならと自分から飛び出て、中日へ。そして巨人へ。少し力が落ちたところで、清原が巨人に入ってくることになった。(尊敬する)長嶋監督の(一塁手をどちらにするかという)悩む顔を見たくないとの理由で、日本ハムに移籍した。あれだけの選手であるのに、引退試合などを拒否。だが、最後の試合で選手が出てくるのを待っていたファンに握手をしに行くという話で、私は落合というオレ流のスーパースターの矜持に感激した。そんなプロ野球の一流選手の最後の1年を集めたのが、中溝康隆氏の「現役引退ープロ野球名選手最後の1年-」(新潮新書)である。もっと読みたくて、先日、大洲に出た時、購入した。

計24人の選手の話が載っているのだが、まだ途中。桑田真澄選手のところでストップした。何故なら、今私の心情に最も近いと感じているからだ。

桑田はPLから清原を出し抜いて巨人に入ったダーティーヒーロー的な暗さがある。清原は高卒初年度大活躍をするが、桑田は2勝1敗。高卒ルーキーとしはまずます。オフにアリゾナ州の教育リーグに派遣され、最終日にグランドキャニオンに無理やり連れて行かされる。ふてくされていたのだが、その大渓谷の景色に圧倒され、涙を流しながら己の小ささを思い知る。帰国後、正月休み返上で球界ではまだめずらしかったウェイトトレーニングを始め、栄養学、心理学、解剖学、運動生理学、メンタルトレーニングに関する本を買い込み独学で勉強した。翌年、19歳で沢村賞を獲得する。しかし、95年のダイビングキャッチで怪我をしてから不調に。一度は復活するが、やがて低迷。2軍の試合が最後になる。大観衆が詰めかけ、ファン一人ひとりと握手をし、MLB・パイレーツとマイナー契約を結び、メジャー昇格。しかし19試合、0勝1敗。再度マイナー契約するが40歳目前で戦力外通告される。その瞬間によくやったな、もういいよという声が聞こえたという。

私はPLも嫌いだし、巨人も嫌いだが、この桑田真澄という投手の生き方には共感する。この本は、そろそろ現役引退の時期が近い私に何かを与えてくれたようだ。

0 件のコメント:

コメントを投稿