2015年8月6日木曜日

波蘭ユダヤ民遺蹟巡礼 7

クラクフの旧市街の南にあるカジミエシュ地区のさらに川を超えた地区に、映画シンドラーの工場跡があります。ここは、現在博物館になっており、第4日目の午後、ここを訪れました。館外には、シントラー氏に救われたユダヤ人の写真が並べられています。ところが、入場券を求めようと館内に入ると長蛇の列です。チケットの販売はこんなに混んでいるのに一箇所だけ。しかも、入場料が(ポーランドにしては)かなり高いらしく、息子が「意外だ。」と言っていました。私も息子も、この博物館、小さくて、大したことがないだとうと踏んでいたのです。

ところが、どっこいでした。館内の通路は狭い(したがって入場制限が必要。長蛇の列の理由)のですが、展示の内容は素晴らしかったのです。シンドラーの工場としての展示は終わりの方に10%、ナチスの支配の展示がそれ以外で90%という感じでした。中でも、息子が早朝から1人で調査に行っていたクラクフ・ゲットーの詳しい展示もあって、私も大いに興奮気味で見学しました。メインの展示はシンドラーの社長室で、その前に製品の鍋がアクリルの壁の如きBOXに山積みでした。
しかも演出が凝っています。映像や照明、通路の足に伝わる感覚(ギシギシいう板張りやふわふわした布の通路などもありました。)など、非常に凝っているのです。料金の高さに途中で十分納得がいったのでした。ナチスの遺品もポーランドにはかなり残っているようです。貴重な本物を見る経験になりました。結局大満足の博物館であったわけです。
さらに、クラクフの現代美術館が併設されていて、アウシュビッツ関連芸術も展示されていました。これはかなりの噴飯物(とちらかというと、間違った慣用句の使い方の方)でした。上記の画像のレゴなどは信じられない作品です。(ちなみにレゴはポーランドで人気があるようで、レゴ・ショップがあちこちにあります。)やはり、アウシュビッツは、たとえ芸術という切り込み方でも十分な配慮が必要だと思います。
一方、別の展示場で、90歳をすぎた元収容者が、収容時代に入れられた刺青の収容者番号をもう一度はっきりとわかるように入れ直すというドキュメンタリー作品がVTRで展示されていました。作品名「90064」。凄い。今も目に焼き付いています。

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