2015年8月17日月曜日

秋田商 準々決勝で敗退、でも…

5回裏 1点を返した瞬間
先ほど甲子園から帰ってきた。秋田商の80年ぶりのベスト8進出だったのだが、私立のS高校の前にベスト4を阻まれた。野球部の寮もなく、特別な推薦枠もなく、秋田市立という純然たる公立高校が、ここまで残ったことを褒め称えるべきだと私は思っている。秋田商は、ベスト8では唯一の公立校である。ほんと、よく頑張ってくれたと思う。

今日は、本校の秋田高校出身のI先生と共に甲子園に向かった。I先生は本校野球部の顧問でもある。秋田県人会だからと、私の分まで学校関係者の無料のチケットをGETしていただいた。私も今日で6回目、今年は3回目の応援である。県人会のチケットを頂いてもバチはあたらないかもしれない。応援の場所は、一塁アルプス、生徒応援団の真横に座った。今から思えば、I先生にとって見にくい席(攻撃時立って見るしかない。)だったので申し訳なく思っている。だが私としては生徒とともに、秋田に残っておられる英語のO先生の分身となって応援したかったのだった。

古豪の証 団旗手も頑張る
私の隣席に男子生徒がいた。タテに一人ずつ並んでいる。少し聞いてみた。彼らは、チアリーダーの盾の役らしい。(笑)チアリーダーは同好会組織なんだそうだ。昨日は結局、こちらに宿泊したとのこと。「誠一杯応援しいやあ。秋田商の応援3回目やから、くるりと回る(応援)歌も知っているから、遠慮せんと思い切りやりやあ。」と言うと「はい。」と純朴に答えてくれた。ものすごく感じがいい。だからこそ、秋田商を生徒の間近で共に応援したいのだ。

序盤は、昨日の疲れもあるだろうに、秋田商のエースN君は三者凡退を続けていた。だが、4回にソロホームランを打たれてしまう。うーん、さすがは私学。次の回、ついに疲労の溜まっているN君が捕まってしまう。無死満塁から3点を入れられた。しかし、その裏、秋田商も1点を返す。このねばり、諦めないのがいい。アルプスも大盛り上がりだ。しかし、6回もN君は打ち込まれ、一点献上。この時点で、10番をつけたS君についにマウンドを譲り、ライトへ。この回もなんとか最小得点で切り抜けた。I先生と「ふぅ~。」とため息をついた。

7回は、この試合で最も感動的な場面であった。S校の攻撃。三塁打を打たれ、犠牲フライがライトに上がったのだ。マウンドを譲ったN君が矢のような捕殺。アルプスもこれで息を吹き返した。秋田商の校歌斉唱から応援が始まる。(3回目なのでパターンがわかってきた。)その後「さぁいくぞ」の連呼である。二塁打も出たのだが、後一本が出ず、残念。しかし、8回からN君が再びマウンドに。二塁ゴロ、三振、三振。まだまだ秋田商は諦めない。9回にも1点を取られて、6対1。いよいよ最後の攻撃である。N君三振。「森のくまさん」と連呼された背番号13番も三振。絶体絶命から、秋田商の最後の踏ん張りが始まる。四球、ライト前安打、そして二塁打。1点が入り、悪送球で2点目。まだ三塁にランナーがいる。そして昨日3安打のキャプテンである。バットの芯で捉えた快音が響いた。これは完全にヒットだと思った。しかし、ピッチャーライナー。「あぁ~」というため息がアルプスを覆った。しかし、最後二死からの諦めない攻撃は見事だったし、N君は、ほんとに凄いピッチャーだったと思う。
O監督、N投手、キャプテン、そして全選手、陰のスタッフ、感動を本当にありがとう。
最後に、昨日の試合のことを書いておきたい。実は、秋田商の7回2死での攻撃中、キャプテンの打った打球は、センターとライトの間に飛び、相手校の外野手が接触プレーになったのだ。センターの選手は長い間立ち上がれなかったのである。チェンジとなって、秋田商の選手は守備についた。キャプテンは、自分の打った打球で接触したセンターのことを気にかけていたようで、彼が担架で運ばれる際、駆け寄って声をかけていた。何を言ったかはわからない。だが、彼の行動に、秋田商の野球の全てが出ていたと私は思うのだ。高校野球は、スター選手の活躍やどこからかマスコミが掘り出したプライバシーが商業主義的に大々的に語られるが、私は秋田商のキャプテンの姿に「教育」を見た。

もちろん、監督のO先生の指導の賜物だろう。O先生は私と志を共にしている。地球市民を育てることをライフワークしている国語の先生だ。野球部の監督として、秋田商OBの甲子園経験者としての顔ももっているが、同時にアフリカに秋田商の生徒をスタディツアーで送り込み、地球市民を育て、「共生」を説く教育者なのである。
秋田商のブラスバンド 本当にお疲れ様
またO先生の育てた生徒を甲子園で見たい。私はそう思っている。

秋田商業高校野球部の選手諸君、応援の生徒諸君、先生方、関係者の皆様、本当にありがとうございました。お疲れ様でした。英語のO先生、また甲子園で是非会いましょう。

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