2013年3月31日日曜日

旧友の家で思ったこと。

高校時代の旧友の家を久しぶりに妻と訪問した。彼は、筑波大学の芸術学群を目指していたのだが失敗し、京都の人間国宝に弟子入りしたという仲間内でも変わりダネである。修行を重ねた後、一般企業に就職したが、能力が高く営業マンとしても、技術屋としても非凡な才能を示したので、金持ちである。(笑)ところが昨年、ひと足早くリタイアした。今は、人間国宝の元で修行した螺鈿(らでん:貝の細工と漆でつくる木工工芸品)をひたすら楽しんでいる。悠々自適といったところなのだ。

彼は多趣味で、しかも凝り性である。登山にはまっていたころは外国へも遠征したし、鉄道模型にいたっては莫大な金をかけている。今もジオラマは残っていて、埃をかぶっていながらもちゃんと動くのであった。うーん。鉄道模型はやはり趣味の王様である。物凄い手間がかかっている。

彼の螺鈿は、アマチュアの域をはるかに超えている。昔とった杵柄とはいえ、プロの技である。やはり、これがやりたかったのだと、人生を取り戻す勢いである。もちろん、彼の人生は順風であったわけではない。私にははっきり言わないが、それなりに悩みもかかえているらしい。

55年も生きていると、様々な人生に接する。高校時代からすると想像できなかったいろんな「今」がそこにある。まあ、先が読めないから人生は面白いのだと思うのだが…。

0 件のコメント:

コメントを投稿