2012年7月23日月曜日

コンゴ紛争にルワンダの影

ルワンダのカガメ大統領は、昨年TIME誌が選んだ「世界で最も影響力のある100人」の1人であり、アフリカのシンガポールを目指すIT立国を現実のものとしつつある。私自身は、このブログでもカガメ大統領を好評価してきた。しかしながら、それを全く覆すような1冊の新書に出会ったのだ。
『世界最悪の紛争「コンゴ」-平和以外に何でもある国』(創成社新書 米川正子著/2010年5月発行)である。
コンゴの紛争については、あまりに複雑なので、実は私自身あまり触れないようにしてきた。チェ・ゲバラがキューバ兵を連れて乗り込んだコンゴ動乱以来、複雑な「紛争の罠」「天然資源の罠」にハマり、紛争が日常化してしまっていて、今やニュースにもならない。著者の米川さんは、UNHCR職員として、実際に現地(東部のゴマ市)で勤務し、コンゴ、ルワンダ、ウガンダ、ブルンジの難民・避難民(国内で非難している人々を避難民と呼ぶ。)と、さらにコンゴ軍やコンゴ警察とも直に接してきた方だ。JICAでもアフリカの平和構築についての客員専門員も務められた方である。ここに書かれているコトを信用しないわけにはいかない。
書名にあるように、コンゴ東部は、レアメタルを始めとした鉱産資源、肥沃な大地、イエローストーンに次いで世界自然遺産に認定された美しい国立公園など、文字通り「平和以外何でもある」アフリカでも極めて豊かな土地である。そもそもコンゴは、国王の狩猟地としてベルギーに支配されてきた。ルワンダとブルンジはWWⅠ以後ドイツ領からベルギーの委任統治領となった。そもそもアフリカの国境は、列強が勝手に引いたもので、エスニック・グループは重なり合っている。ここで、それぞれの国の政府軍・反政府軍が入り乱れ、常に紛争が絶えないわけだ。
米川氏は、この紛争には隠れたシナリオがあるのではと推測する。その主役はルワンダである。このルワンダの虐殺の歴史も含めて、コンゴに介入し、東コンゴの併合をフィナーレとするシナリオ。欧米と南アが様々な利権を貪欲に争い、裏からルワンダを支援しているというのだ。現在のルワンダの奇跡的発展は、東コンゴからの搾取によるものであるというのが結論である。
カガメ大統領は、旧ルワンダ政府時代から、この劇に関わってきたとされる。おいおい、と私などは感じてしまうのだが、かなりアメリカのバックアップがあるようで、アフリカにおけるアメリカの戦略拠点だと言われると、なるほどとも思う。

このコンゴ紛争=ルワンダ主役・アメリカ監督説の是非の結論は持ち越すとして、かなり大きなショックを私は受けたのだった。この紛争で、犠牲になった死者数540万人。性的被害や少年兵などその他にも大きな傷を負った一般人はさらに膨大な数に及ぶだろう。なんともやりきれない。最後に新書の帯に書かれてるコトバを記しておきたい。
『すべての日本人に読んでほしい。コンゴと日本は実はつながっている。私たちが使っている資源が略奪によって来ているから。そして、あまりに悲惨な地で、希望を捨てない人が生きる地だから。』

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