2026年1月19日月曜日

アーミッシュ 備忘録3

https://www.mullenbooks.com/pages/books/186903/thomas-von-imbroich-confessio/ausbund-das-ist-etliche-
schone-christliche-lieder?soldItem=true&srsltid=AfmBOooAEg3hWfa4a14OBe4x6CVurg_7Ctxz9lj-djXqkk3Bgo9ZJoQt
『アーミッシュ もう一つのアメリカ』(菅原千代志著/丸善ブックス 1997年)の興味深い内容の備忘録的エントリー第3回目。

アーミッシュには職業的聖職者はいない。(前述のビショップ等は職業的聖職者ではない。)礼拝時の聖歌は、16世紀に迫害を受けたアナバブテストによって描かれた『アウスブント(Ausbund)』(画像参照)に収められたものを、伴奏なしのユニゾンでゆっくりと歌われる。この聖歌集の末尾にもあるが、迫害の記録である『殉教者の鏡』(The Martyrs Mirror)とルター版の新約聖書が必読書である。礼拝時、ベンチ・ワゴンで運ばれた折りたたみのベンチが運ばれ、男女が左右に別れて座り、耳の遠くなった老人が前に座る。隔週の礼拝は数時間に及ぶが、単調な農作業の日々の生活のアクセントとなる楽しい日であり、情報交換の場でもある。礼拝のないフレンドシップ・サンデーは、休養や親戚・友人を訪ねたりする。

アーミッシュは基本的に農業を志向し、来る者も去る者も拒まず布教活動もしないが、メンバーは厳しい戒律を守る。(一方、メノナイトは教義を共有しながらも社会活動は活発で、日本を含めた世界中に存在する。)アーミッシュの重要な教義は、①洗礼、②人類愛、③絶対の平和主義(軍役はもちろん、法的な争いも避ける:1972年、ウィスコンシン州でアーミッシュの教育制度が義務教育の年限が不足しているとして告発された際も、アーミッシュは係争を嫌うので一般のアメリカ人が対応して勝訴した。社会的信頼を得ているという例でもある。また交通事故の損害賠償もしないとのこと。)④信仰を損なわせる近代文明への非協調、⑤聖書の教えに従う、である。

これらを守るための厳格な不文律があり、その基本は質素・従順である。まさに「プレーン&シンプル」と呼ばれる由縁である。親から子へと引き継がれるこの質素・従順は、「ゲラッセンハイト(Gelassenheit)」と呼ばれるのだが、ドイツ語以外には同義語がない。意味の内容としては、”神の賜物は何でも感謝を以て受くべきである”というもので、相互の絆や助け合いを大切にするため、互いが近い場所に住んでコミュニティを形成することになる。ところで、規律を破った者には、家族でも同じテーブルで食事をすることも、夫婦でもベットを共にすることも許されない。とはいえ、根気強く説得が行われ、反省・告白がなされれば復帰できる。

アーミッシュの墓地は丘の上の柵に囲まれたプライベートな場所で花などは一切飾られず、埋葬後はほとんど訪れない。墓標は質素な石碑か、何も記されていない木版である。ただし、葬儀には多くの人が集まり、婦人たちが多くの種類のケーキを持ち寄り故人を偲ぶという。

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