2026年1月11日日曜日

イラン イスラム共和国の危機

https://jp.wsj.com/articles/iran-s-supreme-leader-says-country-will-not-surrender-cf68ece7
数ある戦後史の事件の中で、私が最も重大だと思っているのは、イランのイスラム革命である。このイスラム革命がアフガニスタンのイスラム勢力に大きな影響を与え、ソ連の侵攻に゙繋がり、ソ連が崩壊、冷戦が終わったからである。

そのイランの神権政治体制が今崩壊しようとしている。イランは、革命後、イスラムの正義を掲げ、アメリカとシオニズムに強く反対してきた。ハマスやヒズボラ、フーシ派などのスンニー派組織に宗派を超えて支援を行い、シリアやイラクのシーア派武装勢力を支援してきた。しかも自国はイスラエルの核に対抗するため核開発を進めてきた。

有数の産油国であるからこそ、このような軍事力増強・支援が可能であったのだが、アメリカの経済的締め付けが徐々に効果を出し、先年のイスラエルとの核施設攻撃で、軍事力は一気に弱体化した。戦争や軍事力増強は、財政を圧迫し、国民生活に大きな負担を強いる。この歴史的原則は、今も生きている。

しかも輸入依存度が高いイランは、通貨安からくるインフレに悩まされ、ついにバザールの小売業者かに端を発した抗議運動が全国に急速に広がったのである。経済的困窮が主原因だった抗議活動は、やがて反米・反イスラエルの国是で、国民生活をあまりに犠牲にした政府に対し、「独裁者に死を」というスローガンに変化したわけだ。十二イマーム派の多いイランでは、アシュラ(第4代カリフ・アリーの一族の無念を共有するため、集団でムチを打ち合う儀式)に代表されるような過激な信仰の一面がある。この強い信仰心をも凌駕するほどの経済的破綻なのである。

イラン政府は、この危機に際し、強く出て犠牲者を増やせば、アメリカの介入を呼び、政権が崩壊する。アメリカは心理戦として介入を示唆したが、慎重な姿勢を崩していない。だが、前回同様、中東地域に兵を集めている。弱く出れば、ますます暴動が拡大するのは明白だ。

イギリスの報道では、ハメネイ師を始めとした首脳は、すでにロシアへの亡命計画を立てている、フランスの報道では、ホメイニ師と同様フランスに亡命するなどと囁かれている。政権の寿命はほとんど尽きているといえよう。

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