2020年10月30日金曜日

マハティールのアジア人的発言

2018年新世紀リーダー塾でのマハティール氏 https://www.youtube.com/watch?v=MboUD-q1zE8
AFP電によると、マハティール前首相が、フランスで起こっているイスラム教徒への冒涜ともいうべき風刺画にからみ、イスラム復古主義者の反発が起こっている件について、ツイッターした内容が大きな反響を呼んでいるようだ。記事のタイトル(「イスラム教徒にはフランス人を殺す権利があるーマレーシア前首相」)は極めてセンセーショナルだが、マハティールの真意とはかなり違う。

これ以前に、マハティール氏は、風刺画を学校の授業で見せたフランス人歴史教師が首を切断され殺害された事件に言及し、「この歴史教師殺害には同意できない」とする一方、「他人に対する侮辱は表現の自由には含まれない」と主張した。

さて、今回大きな破鏡を読んだマハティール氏の投稿は記事よれば次のとおり。「フランス人は、その歴史の中で大勢の人を殺してきた。多くはイスラム教徒だった。こうした過去の大量虐殺ゆえに、イスラム教徒には、怒り、大勢のフランス人を殺す権利がある」「(それでも)一般的に、イスラム教徒は『目には目を』の報復律を実践してこなかったし、今もしていない。フランス人もするべきではない。」

…マハティール氏は言うまでもなく、マレーシアのいやアジアを代表する偉大な政治家である。首相という立場を引くことになったが、彼の言は今でも影響力がある。彼が言いたかったことは、アジア人として、あるいは植民地支配を受けた人間として、そしてイスラム教徒としての発言である。以前、ブログで「日本はアジアか否か」について3回にわたってエントリーしたが、マハティール氏は植民地支配を受けた経験のある真底アジア人なのである。

…したがって、これまで殺される側にあったイスラム教徒が、殺す側にあるフランス人に報復することは、イスラム法的には是認されているが、多くのイスラム教徒はその報復律を実践してこなかったと、穏健なイスラム教徒である彼は主張しているのだ。たしかにイスラム復古主義に近いサウジのワッハーブ派なら、報復律を十分是認する。サウジの人々からすると、「原爆を落とされた日本がアメリカに媚びているのに驚き、なぜ原爆をアメリカ本土に落とし返さないのか不思議だ。」と、日本人に語ったということを何かの本で読んだこともある。

…マハティール氏は、要するに、いいかげん、欧米人に、その「殺される側の論理」を理解してほしいと言っているわけだ。あなた方は「殺す側の」人間なのだと。

…おそらく、キリスト教徒の性(さが)で、思惟することもなく、彼らを「悪魔」としてひとくくりにしてしまうのだろう。彼らはイエス(イーサー)をイスラム教の21人の預言者の1人として認めていることすら知るまい。またアッラーとキリスト教のGODが同一だということも知らないのではないだろうか。私は、マハティール氏の側に立つ。

https://news.yahoo.co.jp/articles/def8955a04e6ade2530fa011e6453b737467c26f

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