2020年10月1日木曜日

世界遺産検定

1年生の塾生の何人かが、世界遺産検定を受けたいと言ってきた。どんな検定か調べてみた。4級から1級まであるようだ。あまり受験には影響しないとは思うが、文化人類学や開発経済学をやりたい生徒には、推薦では意味があるかもしれない。それ以前に世界史や地理の学習効果はあると思うので、受験するなら手伝うことにした。

昔、世界遺産教育(WHE)をやっていたことがある。奈良教育大学で盛んにやっておられた時期だ。世界遺産を3つの視点から学ぶWHEでは、世界遺産についての教育(about)、世界遺産のための教育(for)、世界遺産を通しての教育(through)があるが、世界遺産についての教育は、あくまで教科学習の延長であり、他の2つの教育こそがESD(持続可能な開発のための教育)と結びついたWHEであるというわけだ。

例えば、アンコールワットの歴史や文化的意義を学ぶのは、あくまで教科学習的で、WHEではない。観光化が進み、周辺のゴミなどの問題を社会科学的に考察するもの(for)や。あるいは、危機遺産(存続の危機にある遺産)や負の遺産(アウシュビッツや原爆ドーム、奴隷海岸の施設など)について、環境問題や平和問題、人権問題と繋げ(through)、考えを深めるものである。
https://www.nara-edu.ac.jp/CERT/bulletin2007/b2007-R08.pdf

この検定は、aboutの教科学習中心である。WHEも含めて教えたいなと思っている。まずは。テキストと問題集を注文することにした。生徒が目指している3級は、日本の遺産と代表的な100の遺産が出題範囲である。

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