2016年1月9日土曜日

胸が痛い。-喫煙0本の日-

昨日のY先生が手術を受けることのショックが大きい。実は、朝からまだ1本も喫煙していないのだ。このまま、禁煙できるかもしれない。

Y先生は、私が前任校で担任をしていた時に転勤してきた。同時期に、私は前任校で、Y先生は他校で生活指導部長を共にしていた時期もある。その後3年間の担任生活を終えて転勤してきたのだった。1年後、私が3年の担任を終え、Y先生と新しい教務部長M先生の下で仕事をすることになった。まあ、2人でM先生を支えようという感じの1年だった。私は正直、生指畑(業界用語で生活指導部の経験が長い、ということ。)で教務の仕事は苦手なのだが、Y先生は、温厚だし真面目な君子なので、教務の仕事を覚え、結局M先生の後継者になってしまった。

Y先生は決して望んだわけではない重責を担うことになってしまった。実は、私同様、権力が好きではない。権力から離れていたい方だ。ただ、責任感が強いし、温厚なので仕方なく重責を担ったのだ。その2年後、私は前任校を離れた。しかし、Y先生はそのまま重責を担い続けた。なんとか後継者も立てることができた。やっと担任ができると喜んでいたのだ。しかし、その後継者は、たった1年で転勤になってしまう。担任への希望もぶっとび、また重責を担うことになったのだ。そのストレスたるや、どれだけ大きかったか、と思う。私も一度は禁煙したが、修学旅行前にストレスが貯まり復活してしまった。Y先生は、きっとやめる余裕さえなかったと思う。その喫煙が、Y先生を手術にまで追い詰めたのだと思う。

先日(木曜日だったと思う)、TVで「Legends oh the Fall」という映画を見た。アンソニー・ホプキンス演じる父親は、元陸軍大佐。だが、ネイティブ・アメリカンを虐殺することを拒否し退役。田舎に牧場をつくり、ネイティブ・アメリカンと共生を選んだ人物である。彼には3人の息子がいる。WWⅠ、禁酒法の時代の話なのだが、この大佐、WWⅠに息子たちが行くことに強く反対する。「政府に騙されるな。政府のためなんかに死ぬことはない。」しかし三男が戦死することになる。また、長男が下院議員に立候補してからは、口も聞かないようになる。「政府側につくような奴は私の息子ではない。」徹底した権力嫌いなのだ。権力に、自らの自由や立場を左右されてたまるかという、彼の姿が強く印象に残ったのだった。

私は、結局のところ、(転勤してしまったから仕方ない、とはいえ)何もY先生の力になれなかった。Y先生が後継者を転勤で失い苦闘してる中、本校で充実した担任生活を送らせてもらったわけだ。今、私がY先生にできることは何もない。いや、私自身が禁煙し、Y先生と同じような手術を受けないようにすることかもしれない。そんなことを考えている。

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