2015年6月28日日曜日

現代アフリカ経済論 学習ノート9

http://daruyanagi.jp/entry
/2012/11/13/015607
「現代アフリカ経済論」(北川勝彦・高橋基樹著・ミネルヴァ書房/昨年10月15日発行)で学んだ内容のエントリー第9回。今日は第4章からピックアップしたブログに記録しておきたい内容をエントリーしたい。

所得順位に比べ人間開発順位の低い国
アフリカ52カ国中、32カ国がマイナスになっている。この差が大きいのは、赤道ギニア(-91)、ボツワナ(-56)、南ア(-44)、ガボン(-40)、アンゴラ(-38)など。これら平均所得が高い国では、人間開発が置き去りにされていることがよくわかる。

ペティ=クラークの法則とアフリカの鉱業
開発経済学的に、アジアの開発はひとつのモデルであるが、産業構造的にはまず製造業の発展が経済成長を牽引し、第三次産業へと比重が移行する。これがペティ=クラークの法則であるが、アフリカ全体では、各産業の比率変化は緩慢である。特徴的なのは鉱業のGDP比率が製造業よりはるかに高い国が多いことである。(スワジランドだけは例外的に製造業比=40%が高い。)

土地の収奪
アフリカは人口急増中ではあるが、一部の地域を除いて未だ人口密度は低い。表土も一般的に肥沃ではないが、農地に転用可能な未開発の土地も残されていると考えられている。その新たな開発は巨額の資本を必要とし、アフリカの小規模農家には困難な事業であることが多い。その一方で外国資本による土地の買収と開墾が進められている。それらはしばしば政府や政治家との不明瞭な取引や土地の囲い込みによる農民の在来の権利を剥奪を伴うために「土地の収奪」との異名をつけられアフリカ内外から批判や危惧を招いている。

鉱業の「飛び地」的発展と「モノエクスポート」
鉱業は製造業などと比べて、それぞれの国でも他の産業から孤立した「飛び地」的発展をしやすい。多国籍企業による技術と生産設備のパッケージが持ち込まれ、その国の技術の発展や設備の現地生産を促すことはあまりない。雇用創出率が低いのである。しかも、鉱業生産の盛んな国の多くは「単一産品への輸出の偏り」(=モノエクスポート)で、国際市場に左右される。

負の脱工業化
構造調整政策を通じて、アフリカ各国では、輸入代替工業(繊維・靴・飲料など消費財の国内生産)が大打撃を受けた。以後、自由貿易化の中で製造業は低迷を続けている。これを「負の脱工業化」と呼ばれている。とはいえ、スワジランドとモーリシャスは例外である。

…およそ知っている話が多いのだけれど、開発経済学で呼ばれている事象の名称は初めて目にしたものもあったのでエントリーしてみた。またまたオリジナルテキストのバージョン・アップが必要になるなあ、と思う。

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