2015年6月25日木曜日

毎日 ケニアの訓練兵寝返り報道

ケニア・イシオロの街並み https://www.travelblog.org/Photos/2533233
久しぶりに毎日新聞にアフリカの大きな記事が載っていた。とはいえ、あまりいい話ではない。ケニアでソマリアの過激派アルシャバブに対抗するための訓練された若者が多く寝返っているという話だ。概要は、以下の通り。

2010年頃からケニア政府は秘密裏に、中部のイシオロ周辺で約15ヶ月ケニア軍関係者の下で志願してきた若者に対テロ訓練を行い、ソマリア南部に転戦していた。訓練兵の多くは、ソマリ系の人々で月額$600の給与を約束されていたが、実際には7ヶ月間の戦闘で支払われたのは28000シリング。(日本円で35000円程度である。したがって、命をかけながら約束の100分の1くらいしか報酬が与えられていないことになる。)ケニア当局も給与などの約束が履行されなかったことを示唆している。ケニア紙によれば、過去1年で40人の若者が消息を絶っており、多くはアルシャバブに参加した疑いがあるという。実際訓練を受けた者は、ウィキリークスの米国の外電公電によると2000~4000人、インタヴューを受けた20代の元訓練兵によると約6000人に及ぶ。

記事を送ってきた服部記者が、このイシオロでルポしている。若者たちはアルシャバブのことをサッカーチームのアーセナルと呼び、「あいつは最近アーセナルに入ったみたいだ。」と話す。当然貧困がアルシャバブの勧誘を容易にしている。メルー人の元キリスト教徒の若者も、アルシャバブに参加したという報告もされている。一方で、ケニア全体でソマリ系の人々の疎外感は高まっている。ナイロビではソマリ系へのIDカード発行が滞っており、職務質問も頻繁に行われている。彼らの当局への不信も根強い。

…何度か書いたが、ケニアは多民族社会である。以前、友人のピーター・オルワ氏に、「彼はキクユ人、彼はカレンジン人。」などとと教えてもらったが、あまりその差が解らなかった。きっとケニアの人々なら、その差はわかるのだろう。しかし、我々でもソマリ系の人々は特別なので見分けつく。女性などは極めて美人が多い。(笑)だからこそ、大変だと思う。ケニアでは、例の大統領選でひとモメあったが、およそ民族間の大きな対立が抑えられてきた。ここにきて、ソマリ系が窮地に立たされているように思う。ピーターも言っていたが、普段おとなしいケニア人でも興奮すると、信じられないくらい凶暴になる、と。(ピーターも強盗に襲われ、その犠牲になったのだが…。)間違っても、ソマリ人をこれ以上孤立させないことだ。そもそも、政府の無計画な対テロ戦略が招いた不幸である。

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