2015年6月21日日曜日

アウシュビッツ博物館案内を読む

現地でガイドをお願いする中谷剛さんの「新訂増補版 アウシュビッツ博物館案内」(凱風社/12年8月発行)を読んでいる。例によって妻が先に読んで、私に回ってきた。息子夫婦も行くまでに読みたいとのことで、「イスラエルに送るから早く読んでや。」と言われている。(笑)

とりあえず第1部を読破した。中谷さんの文章は読みやすいのでサクサク進む。第一部は、「オシフィエンチムで」と題された数篇のエッセイ風の文章である。アウシュビッツがあるポーランドはドイツとソ連に挟まれ、近現代史だけでも複雑な歴史を持っている。ユダヤ民は、それ以前迫害の少なかったこの地に多く移り住んでおり、ワルシャワ人口の30%、クラクフの20%を占めていた。WWⅡでは、独ソ不可侵条約によって、両者によって分割占領されるはめになる。ポーランド人にとって、ユダヤ民は隣人であるとともに、ナチスから迫害される人々であり、ソ連を支持する共産主義者と写っていた。同時にポーランド人自身も迫両者から害される立場であった。その体験者の話も交えて、貴重な情報が書かれている。

こんな地に残されたアウシュビッツである。戦後の復興期も社会主義政権時代も、かなり危機に追い込まれていく。それが冷戦終了後、西側の支援もあって、また歴史の真実もようやく調査されるようになって、世界遺産の博物館としての体をなしてきたという歴史が、様々な面から語られている。

国際青少年交流の家というのが近くにあって、様々な国の若者が集い、収容所内の清掃や草刈をしているとのこと。ドイツの若者も多く、フォルクスワーゲンが支援スポンサーとなっているという話だった。

あまり詳しくエントリーすることは止めよう。この本、是非多くの若者に読んで欲しいと思うからだ。いよいよ第2部・第3部は、アウシュビッツ・ミュージアムの案内となる。一気に読めそうだ。

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