2015年5月7日木曜日

「アジアにこぼれた涙」を読む。

文春文庫の「アジアにこぼれた涙」(石井光太/4月10日発行)を読んでいる。ノンフィクションで、10話ある中で、まだ3話しか読んでいないが、物凄い本だ。

アフガントラックの絵師
ダルフールからやってきた兄と妹
ジャカルタの失恋者たち

内容は新刊だし、あまりあからさまにしないほうがいいと思う。タイトルに少しだけ注釈をつけておく程度にとどめようと思う。「アフガントラックの絵師」は、あの沢木耕太郎がクレイジーバスと称したデコレーションと荒い運転で有名なバスが行き来するパキスタンの山岳地帯を行くトラックに絵を描く父親とその息子の話だ。アフガン内戦が落とした暗い影が身にしみる。「ダルフールからやってきた兄と妹」は、マレーシアの港町での話である。ダルフールは、スーダンのダルフールである。あまりに酷い現実に戦慄する。「ジャカルタの失恋者たち」は、著者が日本人であること大きな立ち位置を占める話。想像を絶する現実を知る事になる。

世界の最貧困地帯を歩く著者の作品は「絶対貧困」以来だ。私は、高校社会科の教師として、こういう作品をきちんと読んでおかなくてはいけないと思うのである。

2 件のコメント:

  1. こんにちは。この記事とは関係ない情報ですが、ご参考まで。
    国会議員にアフリカウオッチャーがいるようです。
    http://rinta.jp/blog/entry-12023614632.html

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    1. Miyaさん、コメントありがとうございます。政治家らしく政治の事ばかりですが、指摘されていることはウオッチャーとして極めて正しいと思います。偉そうに書きましたが…(笑)

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