2015年5月29日金曜日

ハト派はどこへいったのか。

先日のTVのものではないのですが…
http://blog.goo.ne.jp/root41_1942/e/8e5e0f76fa4db1a8a2e53dd6c7086ec8
連日、国会では安全保障法案の審議が続いている。先日(26日付ブログ参照)私が感じたように、防衛大臣の答弁はキレが悪い。そこを野党に突かれ、四苦八苦していた。防衛大臣は防大卒で、陸自の二尉(中尉でいいと私は思うのだが…。英語表記を直訳すると結局中尉らしい。)でレンジャー教官もしていたというバリバリの国防族である。同時に、国会議員になってからは宏池会に所属。宏池会は、自民党内でも保守本流ながら、お公家集団と呼ばれ、ハト派が多かった派閥だ。こうしてみると、防衛大臣は、不思議な、二律背反したような人物像であるといってよい。

この「ハト派」という語彙はもう死語になったのだろうか。かつて自民党という政党は、多彩な人材を抱えていた。金権問題などでかなり批判があつまると清廉そうな人物が出てきたり、官僚のドンもいれば、地方議員叩き上げもいたり、憲法・安保・外交問題では、タカからハトまで様々な立場から意見が出てきてモメたものだ。

先週、たまたま、早朝の時事放談を見ていたら、今はもう引退した二人の元大物政治家が、この安保法制について、するどい批判をしていた。宏池会出身の古賀誠氏と経世会出身の野中広務氏である。お二人共、ハト派の重鎮だったと言っていい。

今の自民党で、ハト派的な発言(極論すれば首相批判)をするような議員は、あまりいないようだ。これは、私は小選挙区制の弊害だと思っている。党が完全に議員の生殺与奪を握っている。中選挙区制は、派閥ができたり、金権政治・金権選挙が生まれたりというデメリットもあるが、今のような状況よりははるかにいいと私は思うのだ。政治家が、様々な政争の中で鍛えられ、(批判はあるが、)実力をつけた族議員となってこそ活力が生まれるのではないか。

中田考氏の最新刊では、現在の(全ての領域国民国家における)民主主義は、「制限選挙寡頭制だ」、とバッサリ一刀両断である。中田考氏のイスラムの本義であるグローバル・アナーキズムには妙に納得するところがある。私などは、せめて、寡頭制であっても、様々な意見をもつ寡頭制であって欲しいと思うのである。

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