2014年9月2日火曜日

”WICKED” その8 焦燥

秘密裏に進められているCM製作
昨夜は、目がさえて眠れなかった。疲れているのだけれど、文化祭のダンドリを考えてしまう。たとえば、CMの撮影が始まっているが、カメラのバッテリーをチャージしなければならないとか。大道具の制作方法とかのアイデアや、どう指示すればいいかとか…。

わが4組がやろうとしていることをやりきるには、実はかなり時間的に追い詰められている。とはいえ、私が大号令をかけて指示するのはやはり避けたい。学校に着いて、SHRの前にクラスの男子を何人か呼んだ。短い指示。「信頼する君たちに告ぐ。このままでは、当日までに舞台の演技も大道具も、CM製作も間に合わない。リーダーたちで相談せよ。モノの手配、人の手配。生産性を効率的に向上せよ。」政治経済の授業を受けている彼らにはこう言うほうがわかりやすい。40人の生徒をいかに効率よく文化祭の作業に振り向け、生産性を最大にするかという経営学である。(笑)「言うてる意味がわかるかあ?」「はい。」「うん。みんなと相談せよ。あとはよろしく。」

終わりのSHRに行ったら、団長のA君と総務でプロデューサーのN君が前で、皆を鼓舞していた。「このままでは出来ない。みんなの強力が必要や。」「みんな、やろなあ。」皆も真剣に聞いている。私は、腕組みして見ているだけである。いいなあ。これでこそ3年生だ。わがクラスの池に朝、ポーンと小石を掘り込んだ。放課後には見事に水面に同心円が幾重にも広がっていく。

掃除の時間、さっそく大音響で皆が舞台で合唱するWICKEDの曲が流れだした。掃除をしながら口ずさむ生徒も。(笑)いいなあ。みんなさっと自分のやるべきことに散って行った。CM製作も、男子2人がずっとアシスタントした影響で、ずいぶん進んだらしい。横で見ていてくれた副担任のY先生も驚いていた。男子を中心に大道具も一気に進んだ。

若い頃に学んだ大乗仏教用語に「一念」という語がある。中心者の「一念」ほど物事を進める上で重要なことはない。今回はイベントとしてやろうとしていることが、おそらく長い教師生活の中でも最も難しい内容だと思う。だからこそ、私自身も苦しいのだ。だが、今日一日で少し前が開けてきた。

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