2014年3月15日土曜日

ウガンダの話題 二題

ASHINAGAウガンダ http://www.ashinaga.org/africa/entry-557.html
ウガンダにまつわる話題を、二題今日はエントリーしたいと思う。まずは、今日の毎日の夕刊に載っていた関西学院大学国際学部を卒業するウガンダの若者の話である。彼らはエイズ遺児である。あしなが育英会が2003年にウガンダで建設した施設(レインボーハウス)で読み書きを学び、外国人留学生試験に合格、来日したのだという。育英会の神戸レインボーハウス内にある大学生寮で暮らし、日本人の遺児と親交を深めながら、日本の生活ににも慣れたという。卒業後の進路は、男性のSさんは日本の自動車メーカーに就職が決定。日本の高い技術を学び、いつか母国に伝えたいと語る。女性のNさんは、京大大学院医学研究科に進学し公衆衛生を学び、将来は国際機関でエイズ予防の啓発の仕事に就きたいとのこと。

…あしなが育英会がウガンダに、その手を差し伸べていることを始めて知った。私の長い教師生活の経験の中で、あしなが育英会の支援を受けていた生徒を1人だけ知っている。前任校でクラブと勉学を両立し、現役で国立大学に進学した女子生徒である。今は、小学校の教師をしている。合格の報告を聞き、あまりに嬉しくて、思わず背中に「オメデトー」と一発張ったことを覚えている。彼女のそういう事情を知っていたからこそ、心の底からから嬉しかったのだった。以来、前任校での私の合格祝いは、背中に一発が儀式化した。みんな「イター!」といいながらも笑顔を返してくれた。

…あしなが育英会の関係諸氏の努力に感謝したいと思う。アフリカの、途上国のこういう子供たちの未来選択を可能にすることこそ、真の貧困の撲滅であると私は思う。記事を読んで、「おめでとう」と彼らにも背中に一発したい気分だ。

もう一つの話題は、先日(11日)の日経に載っていた記事で、ウガンダのムセベニ大統領が、同性愛者に最高終身刑を科し、国民に同性愛者を告発するように義務付けた法案に署名したという話だ。以前、ウガンダの同性愛者に対する話をエントリーしたことがある(11年1月29日付・12年10月12日付ブログ参照)が、今回は、スウェーデン政府は経済援助を停止、アメリカは最近得意の「失望」と国務長官がコメントしたという。これに対し、ウガンダ政府は、援助なしでも経済運営はできると発言したらしい。国際援助額は歳入の20%までに下がっているのだという。

…私が驚いたのは、記事に付帯されていたアフリカ地図だった。同性愛を禁じているサブ=サハラ・アフリカの諸国が圧倒的に多いのだ。ILGA(国際レズビアン・ゲイ協会)のデータでは、禁じていない、もしくは不明の国を挙げた方が早い。ガバナンスが崩壊している国だけでなく、アフリカでは、裁判が民族・集団で行われているところも多い。公的に法律で禁じていなくとも、そういう民間裁判では有罪のところがあるに違いない。だから、地図を読み取ってメモした、以下に挙げる国が、禁じていないと断ずるのは早急であると私は考えている。
南ア、マダガスカル、コンゴ民主共和国、コンゴ共和国、中央アフリカ、ガボン、チャド、ニジェール、マリ、ブルキナファソ、ベナン、リベリア、エリトリア、西サハラ。

ナイジェリアやスーダンでは最高が死刑である。全体的にアフリカでは、伝統的なイスラム教徒やキリスト教徒が多い。もちろん土着の伝統文化によるところもあるだろうが、とにかくこの問題は欧米的な人権意識の押し付けだとの不満が強いと書かれていた。

…これは実に難しい問題である。日本人は「空気」で物事を判断する性質を持った民族である。日本人の端くれの私もこういう文化の直接的なぶつかり合いには沈黙するしかない。

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