2013年6月5日水曜日

日経 ルワンダ女性の社会進出

昨日のエントリー「TICADⅤが終わった日に」を書いていたら、W杯予選が始まってしまい、もうひとつの重要なことを書けなかった。今日のエントリーは、まず昨日の追記から始めたい。(突然だが、豪州戦は凄い試合だった。祝・W杯出場である。)

天皇陛下主催の晩さん会での話である。陛下は、アフリカ諸国の代表に対し、先の東北大震災の際の支援について、まずお礼を述べられた。私は、本当に凄いなと思うのだ。陛下のご心中には、東北の被災者へのの熱い想いが常に大きな位置を占めておられる。そして、震災直後アフリカ諸国からも様々な支援が寄せられた。そのまごころに感謝されたのだ。金額の大小ではない。真心に真心で答えられたと、私は思うのだ。

ともすれば、ビジネスの話が多かったTICADⅤ。利益や効率が声高に語られる中で、陛下はTICADの原点に立ち返るようなアフリカへの親愛の情を示されたように思う。

ところで、今朝の日経に、グローバル化の中での女性の社会進出という特集記事が載っていた。ここにルワンダの話が載っていた。かなりルワンダでは女性の社会的地位が確立しているようだ。アフリカと言うと、女性がいつもよく働いている。私は様々な荷物を頭に載せ、忙しそうに働いているアフリカン・ママをたくさん見てきた。商売や家事だけでなく農作業も女性が頑張っている場合が多かった。だが、買婚の慣習をはじめ男性優位の伝統は強い。そんなアフリカで、ルワンダでは全く状況が違うようだ。
というのも、ルワンダは虐殺事件で、天地がひっくり返るほどの価値観の転換が起こったからだ。あらゆる伝統的価値が否定された。ディアスポラと呼ばれるカガメ大統領ら海外で教育を受けた逸材に国家再建が託された。だから女性の社会進出が当然だとされてもおかしくはない。

日本は、今回の大震災で何が変わったのだろうか。ルワンダの虐殺事件にも匹敵するほどの大きな変化ではなかったのだろうか。最近の感情的なナショナリズムの高揚や無責任な原発の話などのニュースに接するにつけ、あの世界を驚愕させた日本人の逆境への真摯で忍耐強い対応や、再確認された深い絆はどこへいったのだろうかと鬱勃たる想いに沈んでしまう。陛下のアフリカ諸国へのお礼のお言葉の意味を改めて考えてみたいと思うのだ。

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