2013年6月23日日曜日

アフリカ学会 公開講座6月 追記

黒川理事 JICA・HPより
昨日のJICA理事・黒川氏の公開講座のエントリーで書ききれなかったことを追記しておきたい。それは、TICADの歴史を解説していただいた時に、TICADⅡを主催した小渕首相の基調演説で、若いころアフリカに一人旅をしたことが出てくるという話である。小渕氏に関しては、在任当時、人柄はいいが凡人であるなどという報道が多かった。突然の逝去後、若いころからの想いをこめて沖縄でサミット開催をアメリカの反対を押し切って強行したことなど、再評価が行われている。(12年5月15日付ブログ「凡人?小渕首相の沖縄」参照)以下、その冒頭。

「私事になりますが、私がアフリカと初めて触れる機会を持ったのはアフリカの独立の10年と呼ばれた1960年代のことであります。政治家を志した20年代半ば、私は世界一周の一人旅に立ち、1963年にケニア、ウガンダ等を訪れ、当時独立直後であったこれらの国の人々の熱気を身を持って感じ取りました。その時、アジアから来た一青年に強い印象を残したものは、まずアフリカの人々の温かいホスピタリティー、そして民衆の活力、更に大きな潜在的可能性でした。」
http://www.ioc.u-tokyo.ac.jp/~worldjpn/documents/texts/exdpm/19981019.S1J.html

1963年という「時」に、アフリカを一人旅した小渕氏。私は尊敬に値すると思う。今でもかなりの労苦を伴うアフリカの旅。ケニアもウガンダもまさにその1963年に独立している。一人旅は冒険に近い。そんな人物が日本の首相であり、アフリカに力をかしたいと言ったのだから、アフリカの指導者は大いに盛り上がっただろうと推察する。凄いスピーチであったわけだ。

…今朝の毎日新聞に、『日本人としての「矜持」持とう』という読者の投稿があった。その論旨は、「現首相が「美しい日本」としきりに言うが、原発輸出のトップセールスを行っているのは解せない。あの事故以来原子炉の内部を誰も見ていないし、ネズミの接触で配電盤がショートするような技術を誇るとは…。日本人としての「矜持」はどこへいったのか。全く「美しく」ない。」というものだった。私も同感。同じ自民党の首相なのだが、時代の相違なのだろうか。随分と器に違いがあるものだ。そんなことを考えてしまう。

若者よ、書を捨てず読み込んで、旅に出よう。

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