2013年6月18日火曜日

沢木耕太郎「旅の窓」を楽しむ。

だいぶ前に新聞広告で、沢木耕太郎の新刊が出たことを知った。「旅の窓」という写真とエッセイらしい。枚方の本屋で何軒か探したが見つからなかった.。先日の柔道部のIH予選の帰り、京橋のK屋でついに発見した。期待どうりのものだったので即購入した次第。

私は沢木耕太郎の大ファンである。なにより文章は流れがいい。こういう文章を書けたらなあといつも思う。この「旅の窓」は、沢木耕太郎が世界を旅する中で、思わずシャッターを押した写真に、その時の想いを加えたものである。

1つ、2つ紹介したいが、営業妨害なので、あえてやめておく。だが何気ない写真が、珠玉のエッセイで新しい命が吹き込まれているのを1ページずつ眺めていくのが楽しい、ちょっと贅沢な一冊だ。

私も、ちょっと真似をしてみようかなと思ってしまう。たとえば、この一枚。
ブルキナファソ北部のサヘルの村で、早朝に撮った写真だ。
サヘルの朝陽は実にストロングである。全ての影がまだまだ長いのに、すでに濃い。村の牛が二頭、砂漠の村とは反対方向にゆっくりと歩んでいる。今は雨季。砂漠化が進むサヘルとはいえ、多少の草が生えている。その草を求めて出勤しているように見えたのである。

なぜなら、村人は誰一人いない。牛は、昨日の食事の続きをするのだろうか、黙々と歩んでいく。今日も暑くなりそうだ。今のうちに腹いっぱい食っておこうなどと云い合っているようにも見えたのだ。

アフリカでは多くの牛を見たが、このような牛の出勤風景を見たのは、このサヘルの村だけだった。

「旅の窓」の雰囲気はこんな感じ。筆力ははるかにおよばないが…。
また、私自身の「旅の窓」もエントリーしようかな、と思ったりする。

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