2013年4月21日日曜日

平野克己先生のアフリカ文庫本

先日の京大のゴリラの講演会(4月13日付ブログ参照)の時、後ろの席に学生さんが3人座っていた。休憩時に、将来の話やブルキナの国名などが聞こえてきて嬉しくなって、つい声を掛けてしまった。(笑)聞くと女子学生は、関西大学の学生さんだった。「では政策創造学部かな?」と言ったら正解だった。なんでも平野克己先生が関西大学に来られるのだという。「ならば、『経済大陸アフリカ』は読んでおいたほうが良いよ。」と私は言った。すかさずメモをとってくれたのが嬉しい。こういう学生さんが、これからの国際協力をささえていくと思う。

その時言うのを忘れたのだが、平野先生が監修されている文庫本がPHPから出ている。『日本人が知っておきたいアフリカ53カ国のすべて』という、ちょっとベタなタイトルだが、さすが平野先生監修ということで、見事に各国の事情をコンパクトにまとめられている。もちろん国の重要度によってページ数は違うのだが、「シャーマンと呪術」「アフリカの通過儀礼」といったコラム、日本語で読める参考文献もなかなか充実している。

巻末のアフリカ53カ国のデータ一覧も、国名、首都、独立年月、人口、面積、公用語ときて、平均寿命(男女別)、国内総生産、1人あたり国民総所得、識字率が記されている。
その国のHDI(人間開発指数)の特徴をすぐ見れるようにしているところが、やはり平野先生である。HDIは、その国の豊かさを示す開発経済学における国際的な指標で、経済(1人あたり国民総所得)、保健(平均寿命)、教育(識字率)といった視点(本当はもう少し細かくあるが、普通これで十分判断可能だと私は思う。)から見るのである。

もちろんアフリカのことを学びたい方への絶好の一冊である。これだけの情報をよくぞ文庫本に詰め込んだという本である。お勧めである。

追記:前任校のOGのT君からメールがあった。平野先生の講演会の日程をわざわざ教えてくれたのだった。5月14日(火)13時から14時半、関大第二学舎F棟403教室。内容は「中国とアフリカの関わり」一般参加OKらしいが、私は当然、行けないよなあ。T君、情報ありがとう。

2 件のコメント:

  1. こんにちは。以前、京大で開催された日本・アフリカ学会でお会いした関西大学政策創造学部の者です。こちらのブログで取り上げて頂き、ありがとうございました!いつも楽しく拝見させてもらってます。
    先週、平野克己さんの講演会行ってきましたが、非常に面白い内容でした。中国経済の視点からアフリカを理解していくという内容でした。講演会終盤では、質問などを平野さんに直接させて頂く機会もあり、貴重なお話ばかりでした。
    また日本・アフリカ学会の講演会などで機会があれば、お話させて頂けたらと思います。

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    1. 関大の野村さん、わざわざコメントありがとうございます。今、私が実践しているアフリカSDゲームは、平野先生の研究成果を基盤においたもので、レンティア国家たるアフリカ諸国の持続可能な開発を学ぶカタチをとっています。いやあ、平野先生の論には大きな衝撃をうけました。また、コメントありましたら、遠慮せずどんどんお願いします。

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