2011年4月25日月曜日

『ギルガメシュ』で3連発

ギルガメシュ
恐怖の月曜日の午後。世界史Bの授業3連発の日である。今日から、いわゆる「オリエント」を教える。言語の前に、文明の興りを「culture(耕す=農業)」という立場から教えている。世界で最も早く文明が興ったオリエントは、乾燥した土地であり、灌漑農業の必要性から、専制君主が必要となったことを教える。何といってもオリエント=専制君主である。これは、ヨーロッパから見た東方(オリエント)の強いイメージである。後にギリシア・ローマが民主主義や「法」を生み出した故に常に対比されるわけだ。ヨーロッパ文明の礎石は、なんといいってもギリシア・ローマだが、オリエント、特にヘブライズムの影響も大きい。

これだけ解れば、あとは枝葉末節であると私は思っている。とはいえ、世界史「B」である。細かいことも教えなければならない。シュメール、アッカド、ヒッタイト…。とりあえずメソポタミアの都市国家や王朝の興亡をやらねばならない。今日の授業では、興味付けとして、オリエント(特にシュメールやアッカド)に、ヘブライズムやギリシア神話のルーツがあることを紹介した。

その主役はギルガメシュである。ギルガメシュ叙事詩。某RPGゲームでもボスキャラで登場する。(もう古いのか生徒は知らなかった…。あちゃー。)このギルガメシュ叙事詩には、ノアの方舟の元になったのではという洪水の話が載っている。また、こんな話も…。
ギルガメシュは、友人のエンキムドゥと共に木材を求めて旅立つ。そこでレバノン杉を発見する。ところがこのレバノン杉の森には、森の神フンババがいて森を守っている。そこでエンキムドゥと戦い、フンババは頭を切り落とされて殺されてしまう。エンキムドゥはフンババの頭を金桶に押し込めた。その後エンキムドゥはたたりで殺されてしまう…。
生徒に聞く。「どっかで聞いたオハナシとちゃうかあ。」…そう、宮崎駿の映画、もののけ姫である。
ネタばらし:http://www.geocities.jp/timeway/kougi-4.htm

さらに、アッカドのサルゴン1世。彼は生れて籠に捨てられる。こんな話もあるよと、ギリシア神話のエディプス神話にもっていく。脱線はさらにフロイドのエディプス・コンプレックスという心理学まで進んでいったのである。なかなかウケた。そもそも神話が有名だし、スフィンクスのなぞなぞも面白い。

てなわけで、プリント授業でもキーワードを板書する回数を増やし、面白い話題をふんだんに入れてちょっと授業を改良したわけだ。ふー。うまくいくと疲労も少ない。

追記1:ブルキナに行っていたF君が無事フランスに戻ってきましたと、メールをもらいました。酷暑の中で生き抜くブルキナべに感激し、ワガの大学生や村の教師と対話を重ね、彼は本当に『貧困』なのかという疑問を五感で感じたようです。もちろんIさんの凄さも。ちょっと下痢をしたようですが、体調も特に大きな問題もないようで安心しました。
追記2:元キャンディーズのスーちゃんの死の直前のコメント、TVニュースで聞きました。私も大ファンだったので、涙なしには聞けませんでした。ご冥福をお祈りします。

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