2010年1月22日金曜日

仮想世界ゲームⅤ


 昨日今日と、仮想世界ゲームが進行しまた。この進展については、あまり公にできません。と、いうのもこのゲームを長年指導してこられた名古屋大学の広瀬先生の、ある意図があるからからなのです。
 このゲームの初期設定では、30人分しか食糧がありません。40人全員が生き延びていくためには、当然農園を広げていくことが不可欠になります。また企業が生産をしないと、多くの人々は食糧を買えません。すると、必ず環境問題が発生するのです。マニュアルでは、細かな規定があり、農園の増産や生産規模の拡大が、環境問題を引き起こすように設定されているのです。我が全国で2度目の実施校(芝浦工業大学付属高校で最初に実施)となる高校生による仮想世界ゲームでも、このジレンマによって第5・第6セクションで環境問題が発生しました。実は、このゲームは、社会心理学のシミュレーションであるとともに、環境問題のシミュレーションでもあるのです。
 第2・第3・第4セッションと、各地域のそれぞれの帰属意識はかなり強くなり、対抗意識も高まります。当然競争意識や途上地域の被害者意識も高まります。地域間の利害、それらを、仮想世界全体の利害へと転換する方向へとゲームは向かうのです。
 これからこのゲームに接する方のために、ブログで公にできるのは、残念ですが、これが精一杯です。
 私は、この土日2日間、第6セッションで再度行った「ふりかえり」や、進行係が記録してくれた全てのデータを整理し、報告書をまとめる作業に入ります。各地域ごとに整理した資料を中心に、各党の政策提言集などを提示して、学年末考査の試験問題をつくります。今日、生徒たちに伝えた試験問題、それはこれ1問…『仮想世界ゲームを考察せよ。』
 社会心理学的に論じるもよし。経済学や経営学的な視点から論ずるもよし。地域間の問題を社会学的に論ずるもよし。教育学的にその効果を論じてもよし。もしもっとセクションが続いたらどのようになっていくか、また自分のアイデアを披露するもよし。さて…どんな答案が出てくるか、楽しみです。

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