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都市に移り住んだ工場労働者は、その賃金で様々な財・サービスを消費する。(前述の竹田・苫野氏の指摘する「普遍消費」である。)ここから第3次産業が発展するわけである。これが、一般的な法則性で、先進国や中進国では、同様の動きが起こった。
ただ、アフリカ諸国では、農業技術が進んでいない関係で、農業の労働人口が過剰になることも多い。そこで、青年層を中心に血縁や地縁を頼り都市に出る場合が多くある。ここでも「情の経済」が有効に働く。ただ、劣悪なガバナンスのもと、先進国からの投資はあまり行われていないこともあって、彼らを吸収する工場の雇用は少ない。そこで、インフォーマル・セクター(正規の経済活動ではない仕事)につくことになる。タンザニアのマチンガ(路上で先進国から放出された古着を売る人々)が有名だが、ケニアでは、売り物にならなくなった花をまとめ、交差点で停車した女性に売る正装した男性を見たし、ジンバブエでもタバコを1本売りする少年、ブルキナでもマルシェ(市場)で、注文を受けて買ってくるのが仕事という人々にも出会った。これらは間違いなくインフォーマルセクターだと思うが、路上の商店など、どこまでがフォーマルで、どこからがインフォーマルなのか判別がつかない状況があった。
ところで、最貧国の内陸国、ブルキナファソには、コカコーラの工場があった。商品が重いので、他国から輸送するより国内に設置した方が効率的だという理由だと思うが、これは装置工業ゆえに雇用が少ない。産油国の中には、石油精製工場を持っているところもあるが、これも装置工業。輸入代替工業は、中国の安価な中国製品の進出を受けて発展していない国がほとんどである。アフリカの第2次産業化への移行はなかなか進んでいないのが現状である。面白いのは、モーリシャス。雇用が多く必要な縫製業が盛んで、GNIを押上ている。ボツワナでは、ダイヤモンドの生産から、研磨(画像参照)へ、さらにはデ・ビアズ社と合弁で首都ハボロネで国際取引市場を形成している。第2次産業から第3次産業まで一環して利益を挙げているわけだ。しかも内陸国ではあるが、ダイヤモンドは高価でしかも小さい故に、航空機輸送で輸出できている。
…ところで、東南アジアの中進国などでは、先進国からの投資を受け、輸出加工型工業が発展している。自由貿易と保護貿易の葛藤や比較優位説などの歴史を踏まえて、「グローバリゼーション」と、地理分野として今や無視できない「サプライチェーン」に話を進めていこうと、今考えているところである。
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