2024年3月25日月曜日

世界の三大穀物2 米

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昔、米とと小麦のカロリー比較をっした場合、米の方が大きかった。しかし品種改良などの成果だろうか、現時点での100gあたりのカロリーは、米が356kcal、小麦が366kcalと逆転している。しかし、歴史的には小麦を主食とする地域は低カロリーを補うために、牧畜を行い、肉食や乳製品で補っていた。米には、そういう歴史的背景はなく、主食の王座を担ってきた。これがマクロに視た食の歴史なのだが…。この話の内容は、書評をエントリーしている「世界の三大穀物」には載っていない重要な地理的事項である。つまり、夏の高温と水が豊富な地域では米を栽培することが有利であり、冷涼な気候と水が少ない地域は、コメの生産が不可能な故に小麦を生産するという農業のヒエラルヒー的な視点があったわけだ。今はもう、農業は商業化しており、どれだけ儲かるかが、その尺度になっている。

さて書評に入る。米に関しては、日本の自給率は97%である。よって、この本では、いきおい日本国内の話が主流になっている。日本の米の生産高は、新潟、北海道、秋田と続く。寒さが厳しい地域が上位にきているのは、熱帯の作物である稲は光合成によってデンプンを作り、夜にはそのデンプンを消費する特性と関係がある。夜に気温が高いと稲は活性化し消費しすぎてしまう。よって、昼高温、夜低温という気候が最も適している。よって、北日本のこれらの県が上位にくるわけだ。しかも稲は大量の水が必要だが、これらの地域は積雪量が多く雪解け水恵まれている。

米はほとんどが主食用になる。作付面積で見ると、①コシヒカリ(33.7%:味の濃い料理や肉料理に合う)、②ひとめぼれ(9.1%:冷めても味が落ちないので外食・中食用に利用されている)、③ヒノヒカリ(8.3%:西日本中心で栽培、カレーに合うらしい)、④あきたこまち(6.8%:おにぎりに適してる)、⑤ななつぼし(3.4%:北海道に多く寿司などに重宝している)という順になっている。*中食というのは、コンビニなどで買い求め家等で食することを意味する。

なお、主食用以外では、飼料用の米(ブロイラーや採卵鶏、豚などに利用)もあるし、米粉(グルテンを踏まない米粉は世界的に市場価値が高いらしい。)をつくるためのうるち米や餅米も生産されている。うるち米は団子やせんべいに使われる。うるち米の生産高は新潟がトップ、餅米は、北海道、第二位は佐賀である。小麦でもSAGAが登場したが意外な話である。日本酒の原料となる酒造好適米は、山田錦という品種は兵庫、五百万石という品種は新潟がトップである。

ところで、日本の米消費量は大きく減少している。減反政策も進んでいるのだが、1995年から毎年77万tの海外米を輸入している。これはGATTのウルグアイ・ラウンドの交渉によるもので、「ミニマム・アクセス米」(MA米)と言われている。アメリカ、タイ、中国、オーストラリアなどから輸入しており、TPPでオーストラリアから6000t追加輸入している。MA米は主食としてより、加工用(味噌、焼酎、米菓等)に使用されているが、国際米より低価格で販売されているので多少の需要もあるが、保管に1tで1万円くらいかかるという財政負担のデメリットもある。飼料用や海外への食糧援助にも使われている。

一方、日本の品質の良い米は輸出もされている。香港、シンガポール、台湾、アメリカ、などに需要がある。マレーシアでも、そもそも日本食の人気が高く、かなり高価だったが日本米が売られていた。とても手が出なかったけれど…。(笑)

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