2023年11月11日土曜日

使徒言行録 パウロ

使徒言行録の書評第4回目。パウロについて。パウロは、佐藤優によると、ユダヤ教徒としてイエスを信じる原始教団をかなり迫害したらしい。最初の殉教者となったステファノの件にも関係しているらしい。そんなパウロが、回心したわけである。この回心については、ダマスコという街で、イエスの声を聞き突然目が見えなくなる。イエスの弟子アナニアが使わされ、目からウロコのようなものが落ち、目が見えるようになった逸話が使徒言行録に出てくるのだが、これが『目からウロコ』の語源らしい。パウロはかなりの弁舌家であり、後に、世界宗教へと発展させるのだが、過去に犯した迫害の罪については(聖書の記述を見る限り)反省していない。前述した行いではなく信仰のみで救われるとしたパウロらしい。

ちなみに、パウロは、ユダヤ教で重要な割礼をやめ、洗礼を推し進めた。異邦人にとって、改宗のハードルは低くなったし、キリスト者と呼ばれるようになったのもパウロの布教以後である。かなりのやり手というか、ユダヤ教の1つのカルト教団であったペトロたちの原始的教団を改革していくのである。

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