2023年11月20日月曜日

アラバスタ編を見て

https://one-piece.com/story/alabasta/index.html
ワンピースのアニメ無料LIVEが2回目に入った。1回目で見逃したアラバスタ編の後半をじっくり見させてもらった。このアラバスタ編はかなり評価が高いのである。ラストの左腕を上げての別れのシーンはあまりに有名であるが、それまでの経過が知りたかったのだ。 

見て感じたことの第1は、ワノ国編などを見慣れている私からすると、一味のみんながみんなすこぶる弱いということである。そもそもこのアラバスタ編は前半も前半なので当然なのだが、ルフィの覇気などは当然出てこないし、ゾロとサンジの両翼も物足りない。これがもし物語後半で成長後なら、最後の時計台のシーンなど、ゾロなら一刀両断、サンジなら空中を飛び跳ねて一発である。ナミもチョッパーもウソップの弱小3人衆はほとんど無力という状態で、成長途上故に仕方ないといえば仕方ないのだが…。

第2は、多くの伏線がはられていることに気づいたこと。ここに登場したクロコダイル、No1、No2、No3はインペルダウン編で再登場し、特にNo2のボンクレーはルフィとの友情に殉じる。ワンピースでも感動的な脇役となる。蝋人間のNo3は、この編で牢脱出の鍵を作り出したのと同様、頂上決戦でエースの海楼石の錠の鍵を作り出す。海軍のスモーカーとたしぎとの因縁もここから生まれている。特にたしぎとゾロの因縁は、後のパンクハザード編に繋がっていく。またエースとの邂逅が描かれており、エースはその後ワノ国とも関わりを持っており、この編に彩りを添えている。別れ際に「ルフィには手を焼くだろうが、よろしく頼む。」と、一味に言うが、ドレスローザ編でサボが言うセリフと全く一緒なのがいい。ロビンが敵として登場するも、微妙にルフィの味方(クロコダイルに対しては裏切り)をしつつ、最後の最後でルフィーに助けられたことから仲間に入ることなどである。

第3は、以後の編のフローチャートになっていること。主敵で最も強いクロコダイルにはルフィーが何度か倒れつつも結局勝ち、次に強い刃物を使うNo1にはゾロが、その次に強く拳法を得意とするNo2にはサンジが対応するといったように、一味の強さに応じた戦闘が行われたことである。このフローチャートは、ドレスローザ編やホールケーキアイランド編、ワノ国編などでさらに発展していく。最後の最後までヒヤヒヤさせられる危機の連続、エンターテーメントとしても極めて良く出来ている。

第4は、クライマックスで、ドボルザークの「新世界より/第四楽章」が流れることである。あらら、なんか変(こんな有名な曲を使うのか)と最初思ったが、見事に合っていた。(笑)

https://twitter.com/mannga_tenngoku/status/369643668279287808
最後に、この編の主人公とも言えるアラバスタ王国の王女ビビのキャラクター的魅力が、評価が高い最も大きな理由かと思われる。No2のボンクレーの変身能力に対抗するため、(ビビとカルーを含めた)一味全員がつけた仲間の印・左腕の✘と包帯がラストシーンの伏線になっている。(実際、ビビはボンクレーの変身に騙されなかった。)ビビは麦わらの一味に入ると思われたが、結局国のために残る割断をする。その思いに答えるため、無言で仲間の印として一味全員が後ろに向きつつ左手を掲げ出国するシーンは感動的である。

コブラ国王や臣下の人間的魅力、さらに画像にある、まねき猫やカニ、(まるでFFのチョコボのような)カルーを中心とした超カルガモ部隊、さらにルフィーの弟子となったラッコたちなどの、ディテールに拘っているところも大きいと思う。

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