2023年10月20日金曜日

「ユダヤ人の歴史」を読む

このところ、ハマスとイスラエルの「戦争」の件でもちきりである。と、いうわけではないのだが、「ユダヤ人の歴史」という文庫本を通勤時に読んでいる。著者はアメリカのユダヤ人にしてかなり権威ある人物であり、完全なる学術書である。

すでにローマ時代に布教を禁じられており、その伝統から民族宗教から脱し得なかったことなど、気になった箇所は多々あるのだが、何よりもユダヤ人の迫害・弾圧の歴史は長く、そして深い。虐殺された歴史的事件は数限りない。私もユダヤ教に関心を持って長いし、およその歴史的なことも把握しているつもりだったのだが、まだまだである。この本の著者は、特にスフラディの研究者であるので、スファラディの話が比較的多い。スファラディはスペインなどのイスラム王朝下で繁栄し、レコンキスタで大きな迫害を受けたユダヤ人が中心の集団のことである。

今日読んでいて、ちょっと意外だったのは、ツファトという街の話が出てきたことである。ツファトは、ガリラヤ地方の北部にある美しい街で、実は私もイスラエルに行った際、訪問したことがある。スペインから放逐されたスファラディが、この街に暖かく迎えられ発展したという。この街は、神秘主義(カバラ)が盛んな街としても知られている。そういえば、お土産物屋さんに「生命の樹」を描いたものがたくさんあったという記憶がある。

ところで、国際世論では、ハマスが有利なようだ。イスラエルとアメリカに批判が集まっており、平和的な解決=仲裁を期待する声が高まっている。当然である。しかし、日本政府はアメリカ・梅田べったりで、国連でのロシアの仲裁案に対して、米英仏とともにたった4カ国で反対している。パレスチナ問題のそもそもの責任はWWⅠ後の英、それに仏にある。WWⅡ後イスラエルの存続を保証してきたのは米である。全く関係のない日本が、これらのグループに入るというのは、やはり違和感がある。K政権はまさに、米の操り人形だと世界に知らしめることになった。別に私は、ハマス、イスラエルどちらの見方でもないが、平和的解決に反対するとは、日本の国是である「平和国家・日本」も地に落ちたものだ、と言わざるを得ない。

0 件のコメント:

コメントを投稿