2023年10月22日日曜日

現時点でのハマス・イスラエル

https://www.christiantoday.co.jp/articles/32868/20231019/hundreds-feared-dead-at-christian-hospital-in-gaza.htm
ハマスとイスラエルの戦争については、様々な情報が流れている。特に、病院に対する攻撃が国際世論で話題になっている。米・英・仏などは、ハマス側のロケット弾発射の失敗だと言い、イスラエルは、最初ハマスの拠点があった病院を空爆によって攻撃したと発表、すぐにそれを打ち消し、過去の動画を配信したりして急にごまかそうとしている。近隣のアラブ諸国は、この攻撃に強く反発している。

当然ながら、民間人への攻撃は国際法違反である。「人間の盾」という作戦をハマスが取っているのは現実だが、そもそもあの狭いガザは、事実上の強制収容所であって、民間人への攻撃が起こりうるのはやむを得ないとイスラエル軍は考えているだろうし、自分たちがかつて、ディアスポラ時に、キリスト教徒の様々な地で行われた迫害・虐殺の歴史、各イスラム王朝でも為政者によっては、行われた迫害・虐殺の歴史から導かれるところの、彼らの殺す側の論理・殺される側の論理(=虐殺は大問題ではない)で、パレスチナ人を人間扱いしていない面があることは否定できない。

イスラエル行の際に、前述の安息日のディナーで大家さんの奥さん(高校の音楽の先生)が教えてくれて、知ったことだが、娘さんが幼稚園ですでに、ユダヤ人は世界中を敵に回していることを教えられていると言っていた。またイスラエル在住の高校生はアウシュビッツに修学旅行に行く。そこでユダヤ民族がいかに虐殺されたかを肌身で感じて帰ってくるそうだ。また、高校生は、卒業後に男子は3年、女子は2年の兵役が義務付けられているので、大学進学を考えている生徒もガツガツ勉強しないそうだ。どうせ兵役につき、平和日本では想像だにできない常時戦時中のイスラエルでは、運が悪ければ死ぬかもしれないという現実に直面している故である。極めて優秀な生徒は、サイバー部隊である8200部隊などに配属され、エリートとして育てられるたりするが、一般の高校生はペシミストとならざるを得ない。平和日本の常識など、イスラエルには通用しないのである。

とはいっても、イスラエル国民全員が、一枚岩で好戦的であるというわけではない。事実、ネタニヤフへの批判やデモは行われているし、即時停戦を望む声は強い。なにより、国民の1/3が国外脱出を希望しているという。イスラエルに行ってわかったのだが、ユダヤ人といっても多種多様である。アシュケナジやスファラディなどの出身地による違いも有るし、兵役義務も納税の義務もない超正統派から、正統派(この分類に入る人々が入植している場合が多い。)、ユダヤ教の律法をあまり守らない世俗派(この分類に属する人々が事実上イスラエルの国家財政や兵役を支えている。)まで幅広い。世俗派はいかにも、フツーのアメリカ人という感じである。「国家(家庭)内別居」という表現をしていた本もあるが、まさにそんな感じである。

すでに、休戦をハマス側が提唱しているという情報もあるが、ネタニヤフ政権は、過激な右派との連立政権であり、これを拒否している。ここで引いては、政権が持たないと判断しているのではないか。国民の命など二の次だという権力者の本性が見え隠れする。ハマスの、ある意味やむを得ないかもしれない「人間の盾」と同じである。

アメリカは、さらにもう1つの空母打撃群と海兵隊を載せた強襲上陸艦を地中海に向けている。ハマスや同調するイスラム復古主義の過激派集団への圧力だとしているが、民主党政権と軍産複合体の戦争屋の金儲けの影がちらつく。アメリカ国内は、インフレ、財政悪化、治安悪化などの問題が山積みの最中である。ユダヤ教徒にイエスを救世主として認めさせることを宗旨としている原理主義者は、イスラエルを護ることは、アメリカの責務(ユダヤ人がいなくなると宗旨が実現できない故)だと考えているだろうが、フツーのアメリカ国民は何を思っているだろうか。

すでに、現代の国際情勢では、情報統制によって隠されているものの、SNS等の進歩で、そういう権力者の本質や戦争の本質を見抜いている人々が増えている。このままでは、類が世界に及ぶと考えている人々が増えているのだ。ハマス側にもイスラエル側のどちらにもつくつもりはないが、私もその一人である。

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