2021年2月6日土曜日

新書 現代経済学 2

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現代経済学という新書を読んでいる。この本を選んだ理由の1つに、パラパラとめくっていると、ノーベル経済学賞の受賞者リストが載っていたことがある。ノーベル経済学賞は、かのノーベル氏とは直接関係がない。スウェーデン国立銀行創立300年を記念して設けられたもので、物理学賞なんかと一緒くたにされたようだ。

1980年代までの経済学賞は、およそ3つの授賞理由に大別できるそうである。①経済モデルの開発や計量的分析方法の確立した先駆的な業績。②社会主義と資本主義、別の言い方をすると中央集権的計画経済と分権的市場経済の対立に対しての知見。③市場メカニズムの精緻な数理モデル、その分析手法である数理計算方法の発展。

…私が聞いたことがある(=高校の政治経済の教科書に載っているような著名な)経済学者は、①では、景気変動で教えるクズネッツの波のクズネッツ、②では後者が、いわゆる新自由主義経済学で、フリードマンやハイエク。まあ、これくらいである。

1990年代以降は、冷戦が終わり、上記の②の対立は終焉した。それとともに、70年代のスタグフレーション対策における国家の介入が容易ではないことも判明していた。(そう考えると日本はこの石油危機を比較的うまく乗り切り安定成長にもっていったといえるだろう。)こんな中で、「情報の非対称性」という概念が発見された。これは、「市場の失敗」(市場という需要と供給のメカニズムがうまく機能しないということ。高校生にとっては”失敗”という語を使う故に、難解にしていると思う。)で登場する概念である。その後、ゲーム理論に引き継がれる。

…1990年代以降の受賞者の表を見て、私が知っているのは、インド人の開発経済学者・アマルティア=センと、スティグリッツくらいだ。スティグリッツは、H高校時代にK大の合格者への課題として「入門経済学」を講じた経験がある。実は、彼が「情報の非対称性」を説いた人だということを今回初めて知った。(笑)

…ところで、アメリカの動きを注視している。まだ緊急放送の確かな報道は出ていないが、どう見ても状況証拠は正義の方に向かっているようである。これも未確認情報なのだが、トランプが勝利した後、金本位制への移行が取りざたされている。経済学的にどうなのかということは、私にはよくわからないのだが、あのアジア通貨危機やリーマンショックのようなバカげた投機的な金融は終わりを告げるのかもしれない。センの言う「市場の飼いならす」事が実現するのだろうか。

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