2021年1月19日火曜日

書評 人類の選択 佐藤優

日曜日、八幡浜に買い物に出かけた。またまた妻が、スーパーのガラガラで2等賞の1000円商品券を当てたのだった。(笑)その後、少し本屋に寄る機会があったので、「人類の選択」(佐藤優/NHK出版新書)を購入した。「ポスト・コロナを世界史で解く」という副題に惹かれたのである。

世界史で感染症と言うと、農奴解放を推し進めた14世紀のペストが最も有名であるが、それ以外にもたくさんある。ペロポネソス戦争時のギリシア、五賢帝時代の最後のローマ帝国、6世紀のビザンチン帝国などである。いずれも大きな歴史の転換点になっている。

まだ全部読んだわけではないのだが、エントリーしようと思ったきっかけは、ホッブズのリヴァイアサンの有名な表紙の話が極めて興味深かったからだ。


イギリスでは、15世紀から17世紀にかけて、ペストが何度も大流行している。この頃ペスト医師はくちばし状の奇妙なマスクをつけている。くちばし状のところに、ハーブなんぞを入れていたらしい。(ちょっと怖い。)で、リヴァイアサンである。この表題のAとNの上に、このペスト医師のシルエットが描かれている。佐藤優によれば、ペストのパンデミックから来る無秩序と「万人の万人に対する戦い」というホッブズの自然状態を重ね合わせているのではないかという。…なるほど。

こういう蘊蓄が得られるから教材研究はやめられない。

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