2018年5月30日水曜日

マレーシア総選挙 10

これは4月号の表紙
Senyumという日本語のフリーペーパーがある。6月号に面白い記事が載っていた。ジャーナリストでは決して書けないような記事である。マレーシア在住で、中華系男性と結婚した日本人女性が書いている記事で、タイトルは「総選挙とフェイスブック」
2017年12月現在、マレーシアのフェイスブックの使用者は2200万人。約69%という普及率であるそうだ。(日本は55.8%)

筆者が印象的だったのは、総選挙の最終演説を、ナジブ氏はTV3で生放送、マハティール氏はフェイスブックのライブ配信で発表したことであるそうな。コメント欄には「え?TV3ってまだあるん?」「今時お茶の間に座ってテレビ?誰が見る?」「ナジブ氏は壁に向かって演説するに等しい」といったコメントが次々に寄せられたという。LINEでも、おもしろい投稿があふれていて、誹謗中傷やいわゆる炎上は極めて少なかったらしい。目には見えないけれど、身辺に同士を感じ、民衆は結束を固め、「よっしゃ選挙に行くぞ」という意識を深めたと思うと筆者は書いている。

最後のオチは、ナジブ氏が敗北後、「家族と休暇を取る」とフェイスブックで宣言。マハティール氏は、これに素早く反応し、ナジブ氏と家族を国外出国禁止のブラックリストに入れたのだった。最後まで、ナジブ氏はフェイスブックの力を侮っていたわけで、地団駄を踏んでいるに違いないと結んでいる。

…私は先日も書いたが、フェイスブックをやらない。しかし、アラブの春以来、SNSが持つ力はやはり凄いのであって、マレーシアでもそれが実証されたということなのだろう。CNNやロイターにはない、全く別の側面から総選挙を語った面白い記事であった。

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