2014年1月3日金曜日

日経 元旦の社説を読む。

WEBで日経の社説や春秋を読んでいる。読書の合間に思索するのもいいものである。これぞ正月。(笑)「変わる世界に長期の国家戦略を」というのが、元旦の社説のタイトルだ。私なりの概要を記しておきたい。

世界の変化の最たるものは米欧からアジアへと、その影響力の大きさが移行している。百年単位のサイクルで見ると、アヘン戦争前の200年への回帰、「アジアへの回帰」そのもである。その中心は膨張する中国である。米国が内向きのベクトルなだけに、軍事・経済などのハードパワーの増大が、世界の力の均衡をゆらがすかもしれない。グローバル化の中で、国際的影響力は、ハード面だけでなく、文化や価値観などのソフトパワーが一段と大きな位置を占めている。日本は、日米同盟というハードと、日本の文化と価値観というソフト面をうまく使い分けるスマートパワーで中国と向き合っていくしかない。
長期的な国家戦略が必要だ。10年から20年後にどんな国を目指すのか、理念や目標をはっきり示せばいいのではないか。参考になるのが、経済人らで作る日本アカデメイアの進めている長期ビジョンづくりだ。経済力や競争力だけでなく、魅力や尊敬、信頼といった点も含めて「日本力」と、とらえ、世界的な視野から日本をデザインし直すという。相変わらずモタモタしている安部内閣に長期的な国家戦略が欠けているのはたしかだ。
http://www.nikkei.com/article/DGXDZO64794460R00C14A1PE8000/

…この社説の訴えているところは、私も同感なところが多い。今回の年末年始、昨日エントリーした靖国神社参拝問題で、米国から今までにない反応が来た。これにはさすがに私も驚いた。米国は、かなり中国国内の危機的状況の情報(経済格差による民主化運動暴発と、人民解放軍の暴走の可能性)をつかんでいるのではないか、と邪推する。民主党政権、特にオバマ政権は中国寄りの姿勢であるであるが、それにしても「失望した」という表現は凄いインパクトがある。共和党・ブッシュ時代にはありえない。要するに、内向きに大きく変化した米国は東アジア情勢を極めて危険であり、中国の国内問題が、日米の安全保障にまで及ぶ可能性ありと懸念しているのだ。まして、米韓の問題、北朝鮮の問題にも当然波及する。

…現政府が持っている長期ビジョンは、このような微妙な中国の国内問題を軽視しているのではないかと私は思う。戦後以来の古臭いビジョン、日本が真にアメリカから独立するために、憲法を改正し、日米安保というハードを取り去るという事は、グローバル化した現在には全く通用しないのは必定である。感情的なナショナリズム。それだけに突き動かされるのは危険だ。もし、これが事実なら、社説の言う『魅力や尊敬、信頼といった「日本力」』とは全くかけはなれたものだと私は思うのだ。例の法案可決以来、日本はどこへ行くのか、私は危惧してやまない。

…これからの世界に必要なのは、異文化を理解し合える地球市民であって、感情的なパトリオットではない。今日の画像は、"Exploring Global Citizenship" http://www.raisingmiro.com/2011/07/05/i-am-a-global-citizen/

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