2010年6月8日火曜日

叢裏鳴虫 Ⅲ


 今日、管内閣が発足した。まあ前首相の目を覆うような迷走からは脱したわけである。マスコミは、それよりも新政権が小沢元幹事長のカネ云々の問題を脱したかという点で、人事を検討し騒いでいる。私も、生理的に小沢という政治家が好きではない。自民党・田中派・竹下派以来、金丸元副総裁の秘蔵っ子であったのに、金丸が検察に負けてから一切の連絡を絶った。そういう人情の機微のなさが好きではない。またその政治手法もかなり強引で好きではない。

 とはいえ、今回の鳩山・小沢の辞任劇について、マスコミの流す情報に、どうも納得がいかない自分がいる。佐藤優氏の「国家の自縛」を読んだからである。6月2日のブログで、この本についてふれたが、こんな”あとがき”の長い文庫本は初めてである。本編の約半分が”文庫本あとがき”なのであった。2日の時点では、まだ全部読んでいなかったのでびっくりした。このあとがきに何が書かれているのかというと、小沢元幹事長の元秘書である石川議員が、政治資金規制違反で告訴、逮捕され、小沢もまた取り調べを受けた件、すなわち「小沢のカネ」の問題について述べられているのである。ズバリ、佐藤優氏は、この件を『国策捜査』だと言っている。石川議員と連絡を取り合い、彼を応援し、石川議員が、小沢元幹事長の「階段」(起訴・逮捕の前段階となること)にならぬよう適切なアドバイスをしていたのだった。私は、佐藤優氏と鈴木宗男氏の件は、まさしく『国策捜査』だと考えているし、石川・小沢の件もそう判断する根拠が多すぎるのである。

 何故検察は、小沢を狙ったのだろうか?佐藤優氏は、『誰が日本国家を支配するのかという権力闘争だと見る。検察官を含む官僚は、国家を支配するのは司法試験や国家公務員試験のような難解な試験に合格したエリートだと考えている。官僚は国民に対して忠誠を誓っていない。官僚は口には出さないが、国民のことを無知蒙味な有象無象と思っている。国民から選ばれた国会議員は、無知蒙味の塊くらいにしか思っていない。民主党は官僚支配の打破を本気で考えている。官僚から見ると、これは思いあがりである。こんな状況を放置しておくと日本国家は内側から崩壊してしまうと憂いているのである。小沢や鳩山は、自民党の有力議員と同じくらい金権体質が染みついている。しかし馬鹿な国民にはそのことが見えない。それならばよく見えるようにしてやろう、というのが検察の発想である。』と述べている。

 たしかに、ス―パーコンピュータ研究の仕分けの時、レンコン?議員が「なぜ世界1ではならないんですか?世界2じゃだめなんですか?」と言ったのをTVで見た時、私は「民主党の国会議員は、そんなこともわからないのか?」と後ろにコケそうになった。(そんな中身がスカスカの人物が行政刷新大臣をやるらしい。私もちょっと官僚の”味方”になりそうである。)

 もっと佐藤優氏の「小沢論」にも踏み込んで書きたいが、目が疲れてきた。今日はここまでにしておきたい。

2 件のコメント:

  1. 行政刷新大臣の女性は42歳だそうです。お若いのに、国の将来を担っていくような仕事してるなんてスゴイなぁ。。。と思う反面、金融郵政改革担当大臣の方は、73歳だそうです。
    73歳、確かにキャリアや経験はあるけど、大丈夫かな?ってちょっと思いました。

    新聞をあまり読まない(← 就活生としてどうかと思うという突っ込みは、ナシでお願いします)ので、政治には疎いですが、それでも今の日本にトップに立てる人がいないなぁと思ってしまいます。
    若い力、もっと必要なんじゃないかなー。そうなると、求人倍率を企業はあげるよう、企業は進めていくべきだ!!なんて勝手気ままに思っています。。。

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  2. 行政刷新大臣は、おそらくたいしたことはできないとおもうよぉ。参議院選挙の人寄せパンダかな。雇用をUPするためには、経済全体の底上げしかないやろうなあ。民主党は、小さな政府を作りたいのか、大きな政府を作りたいのか、すなわち新自由主義的な構造改革路線(コンクリートから人へという変なキャッチフレーズやけど)なのか、44兆円もの国債を発行して大きな政府にしようとしているのか、全くよくわからないので、困ったもんだ。そのへんで企業も右往左往している感じやねえ。

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