2023年4月5日水曜日

「公共」のプリント作成開始

学園の枝垂れ桜 そろそろ桜も終わりか
今年度、新課程の「公共」という科目を担当することになった。文科省の意図は分からないでもないけれど、現場としてはかなり苦労する科目だといえる。この「公共」、共通試験の受験科目の1つであるのだが、「公民分野」としては旧過程(今の3年生まで)は、倫理、政経、倫理政経の3種類であった。旧帝大レベルの大学は倫政、他はどちらかという感じだった。それが、この新2年生からは、公共+倫理、公共+政経、公共+地理基礎+歴史基礎の3種になった。もちろん世界史や日本史といった地歴科目もあるので、負担増(倫政受験のみ負担減?)という話になった。恐ろしいのは、まだどの大学がどういう受験科目を設定するか未定だということである。危機感があるようなないような科目であるし、実際テキストや資料集、サブノートなどを眺めても、かつての現代社会と同様、中途半端観はいがめない。

どこから手を付けようかだいぶ考えた。学習指導要領などには、「社会的な見方・考え方」を倫理・政治・法・経済ナドニカカワル多様な視点に着目すること、また本来の「公共」のウリである問題解決型学習などが記されている。どこの進学校も3年時に倫理と政経に分かれて選択学習することになるだろう。

とりあえず、現在の世界情勢を自分なりにレポートしてみた。「今」を考えるためのポイントは、次の5つ。1:コロナ・パンデミックの影響 2:ロシアのウクライナ侵攻 3.アメリカと中国の対立 4.イスラエルとイランの対立 5.世界的インフレと金融危機の前兆である。

このうち、1は簡略な記述。世界経済に与えた影響が後の主題。だいぶ後になるかもしれないが経済分野の主題となるはず。2も紛争の状況などは一切ナシ。侵攻直後の国連決議の反対5カ国、棄権35カ国、無投票11カ国名を記してあるのみ。背後にある歴史、文化、社会学的な考察は後日ゆっくり時間をさくつもり。3は両国の経済制裁と外交政策を対比させてみた。4は、平易に記述したがそれでもこの問題には、様々な知識と情報が必要。これまた後にじっくりとやりたい主題。5は概略を期したのだが、あえて経済用語を中心に語彙を羅列しておいた。供給不足、インフレ、デフレ、スタグフレーション、エネルギー危機、食料危機、ゼネスト、FRB、政策金利、ハイパーインフレ、金融債権、不動産バブルの崩壊、預金準備率引き下げ等々。

この最初のプリントが目指すものは、なにより興味付けであり、社会科学へのいざないなのだが、さてさて…。

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