2017年10月30日月曜日

IBTの話(136) EJU後に向けて

EJUまで2週間を切った。早くもEJU後の指導についても話が出ている。日本語では、グループに分けて研究発表をする予定をK先生が立てられている。昨年、国費生がやった研究発表である。5グループに分けてやるおつもりらしい。研究発表のお題の検討に私もかんでいる。いろいろな案があった。日本の文化を形成するものというのが最初だった。私としては、武士道や、わびさび、伝統芸能(世阿弥を中心に)、記紀(古事記と日本書紀)などを挙げてみたのだが、かなり難解である。やはり、人物か…。

今日の職員集会の後、K先生と相談していたのだが、いろいろな日本の偉人ランキングを見てみて感じるのは、やはり織田信長や坂本龍馬の人気の強さである。今の日本をつくった偉人というカテゴリーで考えると5人に絞るのはかなり難しい。ところで、総合科目(社会科)では、日本史は近現代史のみで、幕末・明治維新以前は全くシラバスにない。とはいえ、それ以前の日本史に触れておくのも文系の留学生にとっては悪くない話だ。

と、いうわけで、大局から見て今の日本をつくった人々というお題で、今は話が進んでいる。(昨年、私が推した新渡戸稲造と緒方貞子は、今回はやらないことにした。ホントは、武士道を体現している山岡鉄舟を今年は推したいところだが…。)結局、1人に絞るのではなく、グループで考えてみようということになったのだった。

1.織田信長・豊臣秀吉・徳川家康の天下統一武将トリオ。少なくとも統一的な政権を近世の段階で打ち立てたという功績は大きい、ということで…。正直なところ、私はあまり興味はない。それなりの知識はあるけれど…。
2.西郷隆盛。大久保利通と坂本龍馬。あえて、現実主義の薩摩藩の主役と、長州を結んだ土佐の坂本龍馬を選んだ。この3人は人物としても傑出していることは間違いがない。長州の桂小五郎や高杉晋作、吉田松陰もいいけれど、長州はまさに「狂」で過激派っぽい。私などは意外かもしれないが山縣有朋を買っている。と、彼は日本陸軍創設者だし、ここは長州をあえて省くことにした。
3.中江兆民と平塚らいてう。自由民権運動と女性の人権という立場でこの2人。権力の中枢ではなく、ちょっとアウトサイダー的視点で選んだ。彼らの存在は大きいと思う。
4.池田勇人と田中角栄。あえて、吉田茂をはずし、昭和の高度経済成長を牽引し、幕引きした2人の宰相を選んだ。
5.昭和天皇と今上天皇陛下。なんといっても、戦後の日本の礎をつくられたのは昭和天皇だと私は思う。そして今上陛下はそのご意志を継がれ日本国憲法の精神そのままに、動かれている。国体だとは言わないまでも、やはり今の日本をつくられた大功労者であると思うのだ。

K先生と意見はほぼ一致している。ただ、昭和天皇や今上陛下を研究発表するのはいかがなものかという点で、互いにうーんと唸るところであった。もう少し考えてみようかということになっている。軍人を入れたくないというのも2人の意見。そうなると、私などは徳川慶喜と勝海舟になるかな。

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