2017年10月19日木曜日

IBTの話(134) 日経「春秋」

なんと、明日大阪の実家近くで巡業があるらしい。
K大の小論文指導が続いている。今日は日経の「春秋」から問題を作ってみた。少し古い12日の「春秋」である。

先日、関東地方の某県であった大相撲の巡業をのぞいた。朝8時の開始である。寄せ太鼓が響き、会場にはファンが続々詰めかけた。土俵ではすでに力士らが稽古で激しくぶつかり合っている。やがて大関や横綱が現れ、四股を踏むと場内に期待と緊張の空気が漂った。
禁じ手などを面白おかしく説く「初切」や相撲甚句の披露、横綱の土俵入りや白熱の取り組みなど進行はアナウンスと拍子木で滞りない。どよめきと歓声の渦の中、午後3時弓取り式を見て会場を後にすると、はや力士達はバスに乗り、次の巡業先へと向かうところだった。手を振りながら、鮮やかな段取りに舌を巻く。
今夏、東京・お台場での巡業を仕切ったフジテレビのプロデューサーが、インタビューで当時の驚きを語っていた。力士280人、客三千人異常の興業が析(き)の音とマイク2本で済んでしまう。スタッフが無線で出番を合図する必要もない。AKB48の何倍もの集団が粛々と動いていく。まさに250年の歴史である、と。
長年、蓄積された効率化のノウハウなのだろう。力士らが状況に応じて自らの準備するモチベーションも見逃せない。観客を飽きさせないサービス精神も見事だ。築いたチームワークのたまものと思える。一見、古めかしい世界に見える角界だが、業務の遂行や組織運営のヒントは土俵のそこそこに埋まっていそうな気配だ。

問題は、この文章に書かれている「日本の強さ」について、あなたの考えを述べなさい。である。かなり難しいとは思うのだが…。

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